バスターミナルには何台もの路線バスが集まってくる。では、事業者別で見ると何社(種類)くらいのバスが同じターミナルを出入りしているのだろうか。
文・写真:中山修一
■バスターミナルの規模と事業者数は比例する?
大きなバスターミナルほど乗り入れるバス事業者の数が多い……そんなイメージを抱きたくなるものだが、果たして実際のところ、その認識で合っているだろうか。
今回は本州の各都府県にある主要バスターミナルに着目してみた。まずは首都圏大都会・新宿の「新宿駅西口」停留所だ。
新宿駅西口と名のつく停留所は駅周辺に散らばっているのだが、とりわけバスターミナル然としているのが、駅ビルを出た地上階正面右手にある停留所群だ。
4本設けられた長いプラットホーム上に計13の停留所が置かれている。このターミナルに出入りするのは、京王バス、関東バス、都営バス、西武バスの4事業者だ。
事業者ごとにバスの行き先が異なる関係もあり、都営バスが京王バス向けの乗り場を使うといった、プラットホームの共用は基本的に行われていない。
■JR水戸駅北口の大型バスターミナル
茨城県のJR水戸駅北口すぐの場所に、路線バスの一大発着場「水戸駅北口」バスターミナルが置かれている。
高速バスも出入りするターミナルであるが、今回は一般路線バスのみに絞って見ると、茨城交通と関東鉄道の2社となっていた。
日々50路線以上の路線バスが出入りする割に、使用している事業者の数はずっと少ない印象だ。
■JR浜松駅の巨大円形バスターミナル
静岡県のJR浜松駅に隣接している、直径約77mを誇る円形バスターミナルで有名な「浜松駅」。乗り場の数が16カ所もあり、様々な事業者のバスがやってきそうなスケールだ。
こちらも高速バスを除いて確かめてみると、事業者は遠鉄バスのみ。なんと1社のバスだけが出入りする実質専用のバスターミナルなのだ。
■JR大阪駅のロータリー式バスターミナル
JR大阪駅の御堂筋南口を出てほぼ正面に、8つの停留所を1カ所にまとめたロータリー式の「大阪駅前」バスターミナルがある。
大阪駅前バスターミナルを出発する路線バスは……大阪シティバス一択!! こちらも1つの事業者専用のバス発着場ということになる。
この時点で、バスターミナルの規模が大きいほどバスの種類も多くなる、という図式は成り立たないと分かる。