■一番身近なクルマの駆け込み寺
ガソリンスタンドはクルマに興味がある人もない人も、運転する人ならば誰しもが使う施設だ。マイカーを持っているほとんどの人がディーラーや整備工場の行くよりもガソリンスタンドへ行く頻度の方が多いだろう。言い換えればガソリンスタンドは一番身近なクルマのプロがいる場所だ。
BEV化でガソリンスタンドに行く必要が無くなったら、クルマのプロに目視でチェックされる機会が減ってしまうのだ。BEV車はオイル交換などは必要ないが、タイヤやブレーキは当然減る。そんな車両に車に対して無頓着な人が無人のエネルギースタンドで充電繰り返して乗っていたらどうなるだろうか?
きっとタイヤの空気圧はもちろん、減っても気が付かないだろうし、製造年月日が大幅に古くてもそのまま乗るだろう。タイヤ周りを覗き込むこともしないので、ブレーキパッドが減っていることにも気が付かないはずだ。
BEV車が普及して中古でも格安になり、多くの人たちに普及したら日常整備が疎かになっている車両が増えるのではないだろうか。ガソリンスタンドが減り、代わりに無人の充電スタンドの利用が増えるということは、何かしらの異常に気付いてもらえないクルマが増えることになると筆者は考えている。
「車検制度があるから大丈夫だろう」という声もあるかもしれないが、車検は基本的に2年に1度の検査で「その時だけ検査をパスできればいい」と考えるユーザーも多い。ブレーキパッドの残量は僅かでも検査に通るし、タイヤの製造年月日だって問われない(溝の深さだけ)。
電動化が進んでBEVが普及したとしても、有人のエネルギースタンドを生活に密着した形で残すべきではないだろうか。
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