■ヴィッツ→ハリアーで大激変!! SUVとミニバンはとにかく内輪差がデカい
ハッチバックから流行りのSUVに買い替えた場合を考えてみよう。たとえば、トヨタ ヴィッツから最新のハリアーへ乗り換えたとして、ヴィッツのホイールベースは2510mmなのに対してハリアーは2690mmと18cmも長くなっている。確認するまでもなく、内輪差は明らかに大きくなっている。
ヴィッツを運転していたときの感覚で、狭い道をハリアーで走ろうとすると、総じてハンドル操作のタイミングが遅くなってしまい、リアタイヤをぶつけてしまったり、最悪の場はリアドアを塀やガードレールにこすってしまったりすることになる。
こうした内輪差による問題は、コンパクトカーからSUVに乗り換えたときだけに起きる問題ではない。
一般論としてホイールベースを長くすることはキャビンを広げることにつながる。そのため3列シートの採用が必須のミニバンも全般的にホイールベースは長めの設計となっていることが多い。
■同じクルマなのに……モデルチェンジで内輪差も変わる!?
ホンダのコンパクトカー「フィット」とコンパクトミニバン「フリード」は車格として同等といえるが、ホイールベースを比べてみるとフィットは2530mmなのに対してフリードは2740mmとなっている。
これほどホイールベースが異なるのだからフィットの感覚で内輪差をとらえたままフリードを運転するのは、接触事故につながりかねないことは容易に想像がつくだろう。
ホイールベースを伸ばすことは直進安定性の向上にもつながる。そのため取り回しを重視するコンパクトカーのようなモデルであってもフルモデルチェンジのタイミングでホイールベースを伸ばすことは珍しくない。
たとえばベーシック軽自動車の代名詞といえるスズキ アルトの歴史を振り返ってみると、1998年にフルモデルチェンジした5代目モデルのホイールベースは2360mmだったが、2021年に登場した9代目モデルでは2460mmとなっている。
軽自動車の規格としては同じだが、ホイールベースは10cmも伸びているのだ。そのため長らく5代目アルトに乗っていたドライバーが、いよいよ最新モデルに乗り換えると、意外なほど内輪差が異なることに驚いてしまってもおかしくないほどの差といえる。
■あおりハンドルも内輪差が原因!? 注意すべきこと2つって?
交差点や駐車場に入るために左折する際、いったん右に操舵する「あおりハンドル」が社会的な問題として話題になることも多い。
あおりハンドルをしているドライバーの中には、乗り換えたクルマの内輪差を把握できないために「後輪をぶつけないため」に、安全運転の一環としてあおりハンドルをしているケースもあるだろう。
こうしたケース、本人は安全運転のために自然とあおりハンドルをしているわけだから改善が進みづらい。いっこうにあおりハンドルが減らないのには、モデルチェンジやトレンドによる新車のロングホイールベース化が影響しているのかもしれない。
いずれにもしてもクルマを乗り換えたときはホイールベースなどディメンションの違いからくる内輪差の変化は、ロジックとして理解しておくことが重要だ。
具体的な対策としては、今までよりもゆっくり曲がること、早めにハンドルを切り始めること。この2点を基本としつつ、運転に慣れるまでは助手席側のドアミラーを少し下目に向けておいて、リアタイヤの位置を常に認識するといいだろう。
そうして注意して運転していけば、タイヤの位置を無意識の車両感覚に取り込むことができる。そうやってクルマに慣れれば内輪差を気にせず安全運転ができるようになるはずだ。
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