■トヨタ アクアZ/80点
●水野和敏 取材メモ
・走り出すと、操舵に対する車体の反応はやや緩さを感じさせるものの、車体剛性自体は高く、素情のよさを感じさせる点は高く評価できる。
・直3、1.5LエンジンのTHSは動力性能に不満はなく、燃費性能に優れるのだが、室内に吸気音が大きく入り込み、ノイジーで残念。吸気口とエアクリーナーを要改善。
・グローバルモデルのヤリスに対し、アクアは国内専用に特化し、空力よりもデザイン性を優先したデザイン。
基本的には国内の日常生活のアシスト性を主眼に、企画されたクルマ。デザインも日常の親しみを重点にして、空力などは優先度を下げている。生活ゾーンの一般道走行と、高速道路走行で変化する実用燃費や走行安定性のヤリスや欧州車との違いも興味深い。
本文中でも指摘したように、リアドアの形状とドアハンドルの位置関係が悪く、乗車時に顔面に当たるため、ドアハンドルを後方に10cmほど移動して前型車なみにしたい。
パワートレーンは燃費も性能もよい1.5Lハイブリッドだが、登坂や加速時に、室内に入り込む耳障りな吸気騒音は大きな減点。
●トヨタ アクアZ 主要諸元
・全長:4050mm
・全幅:1695mm
・全高:1485mm
・ホイールベース:2600mm
・最低地上高:140mm
・最小回転半径:5.2m
・車両重量:1130kg
・エンジン:直列3気筒DOHCハイブリッド
・総排気量:1490cc
・最高出力:91ps/5500rpm
・最大トルク:12.2kgm/3800-4800rpm
・モーター出力/トルク:80ps/14.4kgm
・トランスミッション:電気式無段変速機
・WLTCモード電費:33.6km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:トーションビーム
・タイヤサイズ:185/65R15
・車両価格:240万円
■ホンダ フィットe:HEV RS/88点
●水野和敏 取材メモ
・車体の剛性、シャシーのしっかり感は、走り出した瞬間にハッキリとわかる。極低速走行時の操舵に対する車体の反応に遊びがなく、動きがリニア。
・RSグレードの「走りの楽しさ」を演出する意図は理解するが、それにしても微小入力域のショックアブソーバーの動きにフリクションがありやや突き上げを感じる。
・e:HEVのモータートルクとエンジン回転の調和は上手に制御している。エンジンノイズは抑えられている。
車体の剛性やフロア周りのガッチリ感などは高く評価。それに根差した操舵に対するリニアな車体の反応や、位相遅れを感じさせない前後バランスのよい軽快なハンドリングは魅力。
しかし新設されたRSグレードでは、スポーティ性演出のためか、全体的に足の動きが渋く硬い。ショックアブソーバーの微小入力域では、構成部品の摺動抵抗が残るため、路面の小さな凹凸の通過で突き上げを感じるのがネガ要素。
また、リアショックアブの伸び側減衰の拘束が強すぎて、底付きの突き上げもあり、この乗り心地の悪さはもったいない。ブレーキバランスは良好だ。
●ホンダ フィットe:HEV RS主要諸元
・全長:4080mm
・全幅:1695mm
・全高:1540mm
・ホイールベース:2530mm
・最低地上高:135mm
・最小回転半径:5.2m
・車両重量:1210kg
・エンジン:直列4気筒DOHC
・総排気量:1496cc
・最高出力:106ps/6000-6400rpm
・最大トルク:13.0kgm/4500-5000rpm
・モーター出力/トルク:123ps/25.8kgm
・トランスミッション:電気式無段変速機
・WLTCモード燃費:27.2km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:車軸式
・タイヤサイズ:185/55R16
・車両価格:234万6300円
コメント
コメントの使い方フィットRSはスポーティグレードなので、アクアもZではなくスポーティグレードのGR SPORTで比較してほしい。
ヤリスとフィットではなく、アクアとフィットを比較しているという点が非常に素晴らしいです。
ただ一つだけ申し上げたいのが、フィットRSのエクステリアは、空力を考えて設計されているという事です。
水野和敏さんの得点を一覧で見れないのかな。アクアとフィットだけわかっても参考にならない。