■一度も正規輸入されていないのファンがいる異色のクルマ
パワートレインだが、日産のe-POWER……ではなくて、1.2L直3ターボにルノー自家製のフルハイブリッド「E-TECH」を組み合わせたもの。システムの合計出力は200psを誇るが、100kmあたりの燃料消費は4.6Lというから(日本流にいえば21.7km/L)たいしたものだ。その経済性やドグクラッチの制御の巧みさはアルカナでおなじみだから、期待を裏切ることはないだろう。
いっぽう室内に関しては、エスパスが長年培ってきたピープルムーバーとしての知見がしっかり受け継がれているようにみえる。ミニバン時代のような融通無碍な広さはないが、大ぶりなシートや長大なガラスルーフが居心地のいい空間を演出している。さらに3列シートにこだわらず2列シート仕様も用意した点も、ラゲッジの活用といった点でメリットを生んでいるはずだ。
ダッシュボード回りのしつらえは、基本的にルノーのCセグメントSUV「オーストラル」と共通だ。インパネは巨大なディスプレイを2つ組み合わせた衝立のような作りで、ルノーは「Open R」と呼んでいる。2つの合わせた画面の大きさは合計で24.3インチにもなり、自動車用途としては最大級のサイズだという。
一度も正規輸入されていないのに、日本にも多くのファンがいた不思議なクルマ「エスパス」。SUVに変身したとあってはその輸入の可能性は一段と低くなったと言わざるを得ないが、長い歴史を誇るルノーの名車であることに変わりはない。話題の復活を祈りたい。
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