辛いドライブはもうイヤだ! クルマ選びとドラテクでクルマ酔いはここまで防げる!

■クルマ酔い撲滅は、乗り心地性能開発の「永遠のテーマ」

かつては乗り心地をよくするため、足回りをソフト寄りにセッティングすることが多かったが、「酔いやすい周波数」が解明されてきた現在は揺れが収まりやすいよう、極端に柔らかいセッティングは避ける傾向がある(Parkin@AdobeStock)
かつては乗り心地をよくするため、足回りをソフト寄りにセッティングすることが多かったが、「酔いやすい周波数」が解明されてきた現在は揺れが収まりやすいよう、極端に柔らかいセッティングは避ける傾向がある(Parkin@AdobeStock)

 クルマの乗り心地性能開発において「クルマ酔い撲滅」は永遠のテーマだ。かつては、乗り心地をよくするため、足回りをソフト寄りにセッティングすることが多かったが、高速走行中に上下方向へフワフワするため酔いやすくなるともいわれ、課題となっていた。

 ただ近年は、永年の人体研究によって、酔いやすい周波数なるものが一応特定されてきている。

 そのため、最近ではボディの揺れが収まりやすいよう、極端に柔らかいセッティングは避けて、ある程度ダンピングの効いた乗り心地にする傾向となっており、高級車では、電制ダンパーで揺れを早く収めることが当たり前となっている。

 また、2022年11月に新型へとフルモデルチェンジした日産「セレナ」では、「長時間ドライブでも疲れにくく、クルマ酔いも引き起こさない走行性能」を目指した車両開発が行われた。

 具体的には、制動時にボディが揺れにくいよう、制動Gを制御する技術などを織り込んだそう。また日産は、「会話のしやすさ」にも着目。騒音下での言葉の理解には、高い集中力が必要であり、これがクルマ酔いにも影響を及ぼすという。

 そこで新型セレナでは、「静粛性向上した発電用エンジン」や「ナビルートを使用した騒音低減」、「遮音ガラスや車体遮音構造」なども盛り込むことで、クルマ酔いをしにくいクルマを目指したという。

 ちなみに、背が高くてゆったりとした動きをするクルマや、ホイールベースが短いクルマ、2列目に閉塞感があるクルマだと酔いやすいように感じる。

 また着座位置も、ミニバンの3列目のように、タイヤの直上に座ると上下ショックがきつく酔いやすいため、タイヤの位置から離れた座席(1列目か2列目)に座るのがベターだ。

 酔いにくいクルマの候補を挙げると、ミニバン系ならばエルグランドやオデッセイ(ただし3列目はオススメしない)、コンパクト系ならばサイドガラスの大きいルーミーやノート、フィットなどだ(ヤリスは前席をオススメする)。

■今後はクルマ酔いがより課題となるはず

レベル3以上の完全自動運転が普及すると、ドライバーが読書などで目線を下げることが可能となる。クルマ酔いするドライバーが問題となるかもしれない(Gorodenkoff@AdobeStock)
レベル3以上の完全自動運転が普及すると、ドライバーが読書などで目線を下げることが可能となる。クルマ酔いするドライバーが問題となるかもしれない(Gorodenkoff@AdobeStock)

 将来、レベル3以上の完全自動運転が普及し、ドライバーのアイズオフ(目線を下げる)が可能となると、ドライバーは間違いなく、下を向いてスマホやタブレットを使い始める。すると、クルマの揺れの認識と、目で見た視野の情報とが混乱し、ドライバーのクルマ酔いが問題となるはずだ。

 これらを想定し、自動運転に必要な制御技術などを得意とするドイツの企業「ZF」では、揺れを打ち消すアクティブサスペンションやブレーキ制御技術の開発と同時に、乗員の状態を確認するモニターで、クルマ酔いの程度を把握する技術や、触覚や聴覚を通じて車両の動きを乗員に伝える技術などを開発している。

 自動運転社会でのクルマ酔いをテクノロジーでどれだけ回避することができるのか、今後が非常に楽しみだ。

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