スバルがターボ車にエアインテークを付け続ける理由

ターボ車でも「穴」がない車はなぜ実現できる?

2018年に発売されたカローラスポーツ。写真は1.2Lターボエンジン搭載車だが、ボンネット上に「穴」はない

ただ、スバル車にも例外があり、エアインテークレスのボンネットを持つターボ車があった。それが、先代フォレスターのターボモデル。もちろん、インタークーラーはエンジンの上に配置されている。その秘密は、エンジンルーム上部のスペースがより広いので、インナーダクトが備わっていたためである。

直列エンジンやV型エンジンの場合、インタークーラーは、前方や左右に配置される例が多いので、バンパーやボディサイドにエアインテークを設けられているのが通常だ。

珍しい例として、新型カローラスポーツでは、1.2Lの直列4気筒ターボエンジンの上にインタークーラーを設置しているが、ボンネット上にエアインテークはない。これは、小型の水冷式インタークーラーを採用しているためで、フロントグリルからのエアフロー(空気流)で充分だからだ。

余談だが、初代レガシィのみ水冷式インタークーラーを採用していた。もちろん、エアインテークが存在するが、開口部が歴代モデルの中でも最もコンパクトサイズとなっている。

エアインテークは高性能の「証」

歴代レガシィを筆頭に、スバルはターボ車のボンネット上に「穴」を設けてきた。それは実用上の必然性があるだけでなく、高性能を示すマストアイテムでもある

空冷式インタークーラーは、ターボチャージャーに送る空気を冷やすため、エアインテークはマストとなるが、その配置は、インタークーラーの構造と配置によって左右される。スバル車の場合は、必然的にボンネット上となっているわけだ。

かつて、ポルシェターボが誕生した際、その象徴となる大型ウィングが備わっていた。もちろん、空力性能の意味もあるが、その内部はインタークーラーの住処でもあった。エンジン上にあるインタークーラー事情は、スバルもポルシェも同様だったのである。

時代の流れでボディが超ワイドとなったポルシェは、インタークーラーの配置をエンジン左右に変更している。

ただ、スバル車にとって、ボンネットのダクトが高性能の証であることに変わりはない。それでも、フォレスターのように、性能が維持できるなら、キャラクターを意識して、インナー構造などに置き換えることもあるようだ。

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