■各ブースには若い女性ティックトッカーたちがちらほら
それもそのはず、中国自動車メーカー勢はひっきりなしに人が詰めかけていたのだから。私は今回、上海モーターショー会場でも先方の動画撮影レポーター(まるで即席ユーチューバーのようだった)として忙殺されることになったのだが、中国メーカーのブースを訪れている人たちの「熱気度」がまるっきり違っていたことを現場で実感した。
何といえばいいのか、中国メーカーの各ブースでニューモデルを触ったり、コンセプトモデルの室内に乗り込んだりしている人たちの表情が真剣でまさに熱気がほとばしっている。
国際的なモーターショーだから上海モーターショーも当然、世界への情報発信という意味合いもあるのだが、それ以上に中国人ユーザーに向けた新車とパーツの即売会や商談の場でもあるようだ。プレスデー(4月18~19日)にしてこの熱気度、4月20~21日のビジネスデー、同22~27日の一般公開日だったらその比ではなかったはずだ。
そしてもうひとつ、各ブースを回っていてやたらと若い女性のティックトッカーたちがスマホで自撮りしているシーンを見かけたのは現在のモーターショーならではといった様子なのだろう。彼女たちが撮影を終えるまで我々も動画撮影するのをその場で待たなければならず、現地メディアの方たちもこれには苦笑いするしかなかったようだ。
ちなみに私が会場内にいた4月19日にはBMWブースで来場者へのアイスクリーム配布をめぐって不買運動にまで発展し、騒動となった「アイスクリーム事件」が勃発。しかし、同ブースを訪れていなかったため、まったく知り得なかったりする……。
■自国メーカーの国内シェアアップが物語る「完成度の高さ」
さて、各ブースで見た最新中国自動車メーカーの完成度は果たしてどうだったのか? 今回の中国出張では今後、BYDから日本でも販売が予定されているEV、ドルフィンとSEALの2台のほか、何台かの中国車に試乗する機会を得たのでそちらはまた別の記事で今後、紹介したいと思う。
最後に、公表されている中国国内での2023年1~3月の新車出荷台数シェアを見ていきたい。それによると、中国製メーカーのシェアが約53%でトップとなる過半数を超え、ドイツ系メーカーは約19%、次いで日系メーカーが約16%、米国メーカーが約9.5%となっている。
また、BYD(44万台強)が初めてVW(42万7247台)を抜き、2023年1~3月の第1四半期に中国国内の販売台数ナンバーワンとなったという。
この数字を見て、日本のメーカー関係者は衝撃を受けるかもしれない。かつて日本車をコピーしたようなモデルが氾濫し、揶揄されていたような「かつての中国自動車事情」はもはや跡形もないのだ。
数字のうえからでも自国メーカーのクルマをあえて中国のユーザーが選んでいるということがわかる。それをまさに裏付けているかのような上海モーターショーの盛況ぶりだったということを報告して、初回は終わりたい。
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コメント
コメントの使い方市場規模は世界一かも知れませんがチャイナリスクのリスク度は世界で5指に入りますよね、そんな国に進出するのは金の亡者でしかないでしょ、国家元首の一言で平気で政策が変わる、気に入らなければ何もしてなくてもスパイ容疑で逮捕され政治の道具にされる、こういったことも同時に掲載するのが、まっとうなマスコミでは?、その他TV局や新聞はマスゴミに成り下がっていますから。