■パーキング・パーミット制度とは?
パーキング・パーミット制度とは、施設管理者の協力のもと、条件に該当する希望者が、車いす使用者用駐車施設等を使用できる利用証の交付を受けられる制度です。
地方公共団体によっては「おもいやり駐車場制度」や「障害者用駐車区画利用証制度」などの名称となっている場合もあります。
このパーキング・パーミット制度の対象者の範囲は、地方公共団体ごとに設定されています。一律条件ではないため、制度を利用する際には、地方公共団体に問い合わせて確認しましょう。
では、パーキング・パーミット制度を導入している富山県の実例を見てみましょう。
2020年(令和2年)4月1日から富山県で実施されている「富山県ゆずりあいパーキング(障害者等用駐車場)利用証制度」では、「車いす使用者用」と「車いす使用者以外用(移動に配慮が必要な方)」の2種類が用意されています。
青色の「車いす使用者用」の利用証では幅3.5m以上の車いす使用者優先区画を利用できる。緑色の「車いす使用者以外用(移動に配慮が必要な方)」では幅2.5m程度の障害者等用区画の駐車場を使うことが可能です。
このようなパーキング・パーミット制度により、利用者を明確化することで、本当に使いたい人が車いす使用者用駐車施設等を適切に利用することができます。
■トラブル多い!? 統計データから見る車いす使用者用駐車施設等の不適切な利用
車いす使用者用駐車施設等の利用方法について、さまざまな対策がされているものの、いまだにトラブルや不適切な利用は絶えません。
国土交通省が公表している資料「令和4年度 国土交通行政インターネットモニターのアンケート」の結果によると、「車いす使用者用駐車施設に駐車したことがある」と回答した方が8.5%いました。
この8.5%の方が車いす使用者用駐車施設に駐車した理由は次のとおりとなっています。
1位:車いす使用者以外の障害者、高齢者等が同乗していたから(42.4%)
2位:自分が車いす使用者以外の障害者、高齢者等だから(18.8%)
3位:車いす使用者が同乗していたから(15.3%)
4位:一般利用者用が空いていなかったから(9.4%)
5位:急いでいたから(5.9%)
5位:出入口に近くて便利だから(5.9%)
7位:自分が車いす使用者だから(2.4%)
8位:特に理由はない(1.2%)
車いす使用者用駐車施設を利用した多くの方が障害者や高齢者等が本人または同乗していたという理由でした。
いっぽう、障害者や高齢者等ではない方が車いす使用者用駐車施設を利用していた割合は合計22.4%(4位と同率5位と8位の合計)となっています。
つまり、不適切な利用をしている方が一定数いるということが統計からも明らかとなっています。
■駐車スペースを設けてある理由を理解することが大切
車いす使用者用駐車施設等は、一般利用者用の駐車場より数が多くありません。
また、車を停められないという理由から、車いす使用者が駐車を諦めてしまうこともあるようです。
車いす使用者は、車の間を通過したり転回したりするのに幅が必要なだけでなく、車へ乗り降りするときに傘を差すことができないため駐車スペースに屋根が必要となります。
このように、車いす使用者が広い駐車スペースを必要としている理由を車いす使用者以外の人も正しく理解すれば、優先駐車場の不適切な利用やトラブルなどは減るのではないでしょうか。
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