悪いのは煽る側だけじゃない!? 煽られちゃう人がやりがちな行為3選

悪いのは煽る側だけじゃない!? 煽られちゃう人がやりがちな行為3選

 令和2年(2020年)に公布された道路交通法の一部改正により、罰則が強化されたあおり運転(妨害運転)。しかし、罰則が強化されてもあおり運転がなくなることはありません。

 あおり運転は、あおる側が悪いと言われることが多いですが、あおられる側にも問題点があるというのは、運転をする方ならわかるのではないでしょうか。そこで今回は、あおられる側に焦点を当て、あおられてしまう人の残念なポイントを3点紹介します。

文/齊藤優太
アイキャッチ写真/naka – stock.adobe.com
写真/Adobe Stock

■そもそもあおり運転(妨害運転)とは

あおり運転とは、前走車に車間距離を詰めたり、前方に回って急ブレーキをかけたり、ヘッドライトを操作して威嚇するような運転(Imaging L – stock.adobe.com)
あおり運転とは、前走車に車間距離を詰めたり、前方に回って急ブレーキをかけたり、ヘッドライトを操作して威嚇するような運転(Imaging L – stock.adobe.com)

 あおり運転(妨害運転)の罰則は、令和2年(2020年)6月10日に公布された道路交通法の一部改正により創設されました。これにより、令和2年(2020年)6月30日から、他の車両等の通行を妨害する目的で急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うと、取締りの対象となります。

 あおり運転(妨害運転)の対象となる一定の違反は次の10項目です。

1.通行区分違反(対向車線にはみ出すなど)
2.急ブレーキ禁止違反(やむを得ない理由がないのに急ブレーキをかける)
3.車間距離不保持(車間距離を執拗に詰める)
4.進路変更禁止違反(急な進路変更を行う)
5.追越し違反(危険な追い越し)
6.減光等義務違反(パッシングやロービームへの切り替えをしないなど)
7.警音器使用制限違反(やむを得ない理由がないのにクラクションを使う)
8.安全運転義務違反(幅寄せや蛇行運転など)
9.高速自動車国道における最低速度違反(高速道路で理由もなく50km/h以下で走行する)
10.高速自動車国道等駐停車違反(高速道路でやむを得ない理由がないのに駐停車する)

■あおり運転で多い被害はどれだ?

あおり運転で多い被害はダントツで後方からの著しい接近(freehand – stock.adobe.com)
あおり運転で多い被害はダントツで後方からの著しい接近(freehand – stock.adobe.com)

 警察庁や自動車保険会社などのアンケート調査によると、あおり運転で最も多いのは、あおり運転の典型例でもある車間距離を詰める「後方から著しく接近された」でした。その他にも、「クラクションやハイビーム」、「幅寄せ」、「不必要な急ブレーキ」も、あおり運転で多い行為として挙げられています。

 これらのあおり運転は、あおる側にもあおられる側のどちらにも問題があるといえるでしょう。

【政府広報オンラインの統計データの結果:あおり運転の被害の態様】

1位:後方からの著しい接近(81.8%)
2位:クラクションやハイビーム(20.4%)
3位:幅寄せ(16.6%)
4位:割り込み後に急ブレーキ(14.9%)
5位:蛇行運転(10.5%)
6位:つきまとい(9.8%)
7位:停車して道をふさぐ(3.5%)
8位:その他(1.4%)
※n=939、複数回答可
※令和元年10月 警察庁調査「あおり運転に関するアンケート」をもとに政府広報オンラインがまとめたデータ

■スピードだけじゃない!! 煽られちゃう要因は3つあった

速度が遅いのに後続車に譲らなかったり、後続車に急ブレーキをかけさせるような無理な進路変更があおられる主な原因(sugiwork – stock.adobe.com)
速度が遅いのに後続車に譲らなかったり、後続車に急ブレーキをかけさせるような無理な進路変更があおられる主な原因(sugiwork – stock.adobe.com)

 では、あおられている側のドライバーに多い残念なポイントとはどのような点にあるのでしょうか。さまざまな運転行為があるなかで今回は3つ紹介します。

【1】速度が遅すぎる

 速度が遅すぎるのは、あおられる原因のひとつです。道路交通法には、第1条に「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする」と定められています。

 つまり、やむを得ない理由もなく、ただゆっくり走るのは、「交通の円滑に資する」という道路交通法の目的に反しているといえます。もし、どうしてもゆっくり走らなければならない事情がある場合には、駐停車禁止場所を避けて道路の左に寄って一時停止し、道を譲るようにしましょう。

【2】右側の車線を走行している

 片側2車線以上の道路では、基本的に左側の車線を走行しなければなりません。また、最も右側の車線は追い越しのために空けておくというのが基本的なルールです。

 この場合、速度の遅い車が左側、速度が速くなるにつれて順次右側寄りの車線を通行します。ただし、標識によって通行区分が示されているときは、その標識に従わなければなりません。その他にも例外はありますが、常に右側の車線を走行していると、追い越しのために最高速度に近い速さで走行してくる車に追いつかれてしまいます。このような場合は、追いつかれる側が道を譲り、道路で流れに合わせて走行しましょう。

【3】無理な進路変更や進路変更の方法に誤りがある

 無理に進路変更をすると後続車に急ブレーキをかけさせてしまうことになります。また、後方の安全確認や合図を出さずに進路変更をすると、追突されたり他の交通に勘違いをさせたりすることもあります。

 道路交通法には、「みだりに進路を変えてはならない」と定められているだけでなく、「進路を変更した場合に、その変更した後の進路と同一の進路の後方から進行してくる車両等の速度または方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは進路を変更してはならない」と定められています。

 つまり、進路変更をするときは、後方の安全確認や適切なタイミングで合図を出すだけでなく、後ろから来る車の速度を見極めて、後方から来る車の安全も考えながら進路変更しなければなりません。

■あおり運転なくすには? あおられないためにできること

ドライブレコーダーの映像などで、自分自身の運転が周囲をイライラさせるような運転になっていないか再確認し、あおられる可能性を減らそう(show999– stock.adobe.com)
ドライブレコーダーの映像などで、自分自身の運転が周囲をイライラさせるような運転になっていないか再確認し、あおられる可能性を減らそう(show999– stock.adobe.com)

 あおり運転は、あおる側だけでなく、あおられる側にも問題があるというのが実情です。筆者は、あおり運転の事故や被害状況をニュースなど見て、あおる側が悪いと決めつけるのではなく、自分自身の運転があおられるような運転をしていないか再確認するのも重要なことではないかと考えています。

 1件でも悲惨な事故を減らすためにも、ドライブレコーダーの映像を客観的に見たり、運転の講習を受講したりするなど、今一度自分自身の運転に問題がないか再確認してみてはいかがでしょうか。

【画像ギャラリー】あおられないために! 後続車を「イラっ」とさせる運転を再チェック(5枚)画像ギャラリー

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