デカすぎない!? 頑なに1800mm守っていたのに……新型クラウンセダン全幅1890mmはアリなのか

デカすぎない!? 頑なに1800mm守っていたのに……新型クラウンセダン全幅1890mmはアリなのか

 新型クラウンクロスオーバーから全幅が1840mmに!! そして間もなく登場予定のクラウンセダンに至っては1890mmと巨大に。これまで頑なに全幅1800mmを守ってきたのにここまで拡大してユーザー的に大丈夫なのか!?

文:佐々木亘/写真:ベストカーWeb編集部

■クラウンは日本の高級車から世界へ!! 全幅1800mmを守り続けたワケとは

15代目クラウン
先代クラウンまでは全幅1800mmであり、歴代モデルすべてにおいてこの数値を上回ることはなかったのだ

 現行型の16代目クラウンシリーズは世界へ羽ばたくクルマだ。言い方を変えれば、先代モデルまでは、日本国内のことしか考えなくていいクルマであり、全幅1800mmという不文律が存在した理由もここにある。

 クラウンは日本の狭い道路に合わせて1800mmという全幅を維持してきたのだ。

 実際に日本の道路は、センターラインのある2車線道路の場合、最も狭い道幅は片側2.75mだ。そこから0.25m刻みで広がっていき、最も幅の広い道路が道幅3.5mの高速道路となる。

 道幅2.75mの道を全幅1800mmのクルマが走行した場合、道路の中央を走行すると片側に47.5㎝の余裕が生まれる計算。ドアミラーは片側11㎝程度であり、実質的な余剰空間は片側で36.5㎝だ。

 車両全幅を拡大するということは、ドライバーから車線内の余裕を奪うことと同義。全幅が広げられたクルマを「運転しにくい」という感覚は、この余剰空間の少なさから生まれる。

 そこで比較的狭い道でもすれ違いなどで苦労しないよう、クラウンは頑なに1800mmという全幅を守ってきたのだ。

 しかし、16代目クラウンはグローバル展開を進める。もう日本だけを見てきたクラウンではない。

 全幅を拡幅すれば、車内の空間は広くなり、トレッド幅が広がって運動性能も高まる。高級車としては良いこと尽くしの全幅の拡幅は、新型クラウン投入において、至極当然の流れなのだ。

■ユーザーも販売店も悲観せず!! むしろセダン復活に歓喜の声多数

まさかのクロスオーバーで登場したとともに全幅を1840mmに拡大!! ところがユーザーは意外にもサイズアップに悲観せず
まさかのクロスオーバーで登場したとともに全幅を1840mmに拡大!! ところがユーザーは意外にもサイズアップに悲観せず

 クラウンの全幅拡大について、トヨタ販売店の反応は悪くない。トヨタラインナップの中で、既に1800mmの全幅を超えるクルマは多数存在し、クラウンが不文律と言われた全幅1800mmを越えたところで、大きな驚きはなかった。

 セダンラインナップではカムリが1840mm、MIRAIは1885mmと、全幅1800mmを越えるクルマが既に存在する。

 SUV・ミニバンなども全幅1800mmを超えるクルマが増えており、全幅の数字にこだわる必要性は小さくなってきた。

 また、クラウンセダンの全幅は1890mmとなる予定であり、レクサスLS(全幅1900mm)と肩を並べるクルマになったという見方もできる。

 クラウンの車格が、数値の上でも高まるのは売り手にとって喜ばしい事実。これで欧州セダンに対してもクラウンで勝負できる。

 高級セダン市場での復権を狙う意気込みが、トヨタ販売店からは強く感じられた。

 また、クラウンユーザーに話を聞くと、65歳以上のドライバーでは全幅の拡大を好ましく思わないという声が一部あったが、思ったほど否定的な声は出てこなかった。

 クラウンがセダンで戻ってくるという嬉しさの方が大きいようで、幅広ボディには「慣れるだろう」という楽観的な見方も強い。

次ページは : ■全幅拡大で見えてくるのはクラウンの若返り

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