付着状態に応じて洗浄剤を使い分けることがポイント
ブレーキダストの対策で重要なことは、腐食と侵食が進行する前に除去することです。初期であれば、付着したブレーキダストは、まだ表面に軽く付着した状態なので、スポンジや柔らかめのブラシを使って、水洗いやカーシャンプーで落とすことができます。この処置で十分落ちない場合は、ホイールクリーナーを使えば、さらにきれいにすることができますが、なかにはコンパウンドを含んだものとか、ホイールの種類によっては使えないものがあるので、注意が必要です。
時間が経過すると、鉄粉による腐食や侵食が進行し、ホイールクリーナーでも落ちなくなります。こうした強固なブレーキダストには、鉄粉除去剤のクリーナーが効果的です。手順としては、まず、キズが付かないようにホイールの埃や汚れを落とし、鉄粉除去剤を均一にまんべんなく延ばしていきます。こうすることで、溶剤と鉄粉が化学反応を起こして付着した鉄粉やサビが溶解し、紫色の反応液となってホイール表面から流れ落とせるのです。
侵食が深く進行している場合は、これを数回繰り返してみてください。それでも完全に落とせない場合は、いよいよ鉄粉除去粘土の登場です。鉄粉除去粘土は、物理的に除去する方法で、専用粘土の吸着力を利用して水をかけながら、ゆっくり滑らすようにして除去します。強く押し付けると傷がつくため、力を入れずに滑らすように軽く押し当てるようにしてください。
このように、ブレーキダストの除去は、初期ならカークリーナーやホイールクリーナーで、酷い場合は鉄粉除去剤や除去粘土という具合に、状況に応じて対応するのがお勧めです。
予防策としては、コーティングが有効 パッドを交換する方法もあるが…
こうした手間がかかる状態を未然に回避する予防策として有効なのが、ホイール表面にフッ素コーティングやガラスコーティングなどを施す方法です。洗浄剤を使って手間をかけて洗い落とす必要がなく、傷つけずに容易に洗浄ができるので、面倒くさがり屋にはもってこいです。
コーティングすれば、油分やブレーキダストを容易に落とせるだけでなく、熱劣化を防止する効果もあります。自分でできる市販品の安価なタイプもありますが、カーショップなどの専門業者に依頼して、1万~3万円程度の本格的なコーティングを施工してもらえば、2年以上は維持できます。
ブレーキパッドにスチール繊維が含まれているものならば、スチール成分を含まないものに交換することもひとつの方法。これによってホイールダストの発生を抑えることができます。ただし、摩擦力(摩耗量)を抑えてホイールダストを減らすことは、ブレーキ力やブレーキフィールの悪化を招く可能性があるので、自己判断でなく、プロに相談してから交換してください。
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ブレーキダストは、使用環境やブレーキパッドの材料などによって、付着量は大きく変わってきますが、付着すれば、時間が経てば経つほどどんどん侵食して、深く強くアルミ表面にこびり付きます。コーティングしていなければ2~3ヶ月、コーティングしていても半年に1回程度は洗浄したいものです。
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コメント
コメントの使い方良い記事。近年再び若年層がスポーツカーに乗る時代になり、まだ知識は詳しくないけれど高性能ブレーキ車オーナーって人も増えてますからね
記事以外で気を付けたいのは、ブレーキダストを嫌って、社外メーカーのグラフを丸ごと信じて低ダストパッドに換える方がいますが
その状態でサーキットに来ないでください。高速域では想像以上にブレーキバランス崩れていて大変危険ですし他の走行車に迷惑かかりますからね