ほとんどの乗用車で使われているディスクブレーキ。ホイールと一緒に回転するディスクローターを両側から摩擦材のブレーキパッドで挟む構造(PHOTO:写真AC_たけたまご)
クルマを減速、停止させるための摩擦によって削られたダスト(粉塵)が浮遊してアルミホイールに付着したものが、ブレーキダストと呼ばれる黒い汚れ(PHOTO:写真AC_ぽりんクス)
高性能車や欧州車の多くは、スチール繊維の含有量を増やしたロースチールの樹脂パッドを使用しており、耐熱性に優れ、ブレーキの効きがよいのが特徴。しかし、その分摩耗が激しく、ローターとパッドの両方から鉄粉が飛散するので、ブレーキダストの付着が多くなる
ブレーキダストは鉄粉であることから、ホイールに突き刺さってしまうため、除去するのが大変。放置すればアルミホイールの寿命を縮めることにもなるので、メンテナンスをしっかりと!! (PHOTO:写真AC_エルボンズ)
ホイール表面に付着したブレーキダストは、酸化鉄(サビ)に変化し、この腐食が進行してアルミ表面のクリア塗装を剥がす。そこから水分が入り込むことによって、アルミの白サビとよばれる腐食が起こる。腐食が進行すると、アルミの表面が朽ちてきてホイールの寿命を縮めることにも(PHOTO:写真AC_codino)
ブレーキダストの対策で重要なことは、腐食と侵食が進行する前に除去すること。初期であれば、スポンジや柔らかめのブラシを使って、水洗いやカーシャンプーで落とすことができる(PHOTO:AdobeStock_Patcharin)
水洗い等で十分落ちない場合は、ホイールクリーナーを使えば、さらにきれいにすることができる。ホイールの種類によっては使えないものがあるので、注意が必要(PHOTO:写真AC_ぴよザベス)
時間が経過すると、鉄粉による腐食や侵食が進行し、ホイールクリーナーでも落ちなくなる。こうした強固なブレーキダストには、鉄粉除去剤のクリーナーが効果的。鉄粉除去剤を均一にまんべんなく延ばすと、溶剤と鉄粉が化学反応を起こして付着した鉄粉やサビが溶解し、紫色の反応液となってホイール表面から流れ落とせる(PHOTO:写真AC_ことひめ)
それでも完全に落とせない場合は、鉄粉除去粘土を使ってみてほしい。専用粘土の吸着力を利用して水をかけながら、ゆっくり滑らすようにして除去する。強く押し付けると傷がつくため、力を入れずに滑らすように軽く押し当てるようにしよう(PHOTO:写真AC_海悠)
ブレーキダストの洗浄は、付着状態によって洗浄剤や洗浄方法を使い分けることが重要。放置時間が長ければ長いほど洗浄は困難になるので要注意(PHOTO:写真AC_おいものにもの)
ホイール表面にコーティングを施すことで容易にブレーキダストを落とすことができ、ホイールの保護にもなる(PHOTO:写真AC_spyder2019)
ブレーキパッドにスチール繊維が含まれているものならば、スチール成分を含まないものに交換してホイールダストの発生を抑えるのというもひとつの手だ。ただし、ブレーキ力やブレーキフィールの悪化を招く可能性があるので、必ずプロに相談してから交換しよう(PHOTO:写真AC_lamplightfilm)
ブレーキダストは、時間が経てば経つほどどんどん侵食して、深く強くアルミ表面にこびり付く。コーティングしていなければ2~3ヶ月、コーティングしていても半年に1回程度は洗浄したい(PHOTO:写真AC_beauty-box)