洗車の時、ワイパーを持ち上げようとしたら、ボンネットに干渉して持ち上げられない。こんな経験はないだろうか。この手のワイパーを「コンシールドワイパー」と呼ぶのだが、持ち上がらないわけじゃなくて、持ち上げるための手順があるのだ。その方法を紹介しよう。
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部
■ボンネット内に隠れるワイパーが増えている
ワイパーを持ち上げる(立てる)という需要は時々ある。一番多いのが冒頭でも触れた洗車の時。キレイに拭き上げたフロントガラスを乾かしたい時は、ワイパーを立てておきたいはずだ。冬の降雪時も同じ。ワイパーゴムがガラスに固着してしまう恐れがあるので、ここでもワイパーを立てたくなる。
ところが、こうした時にワイパーを持ち上げようとするとできないクルマがある。ボンネットの縁にワイパーアームがぶつかってしまうのだ。
このタイプのワイパーはコンシールドワイパーと呼ばれる。もともとワイパーは視界の隅に入って邪魔という声があったのだが、ボディを設計する上で空気抵抗が重視されるようになると、ワイパーをボンネット内に隠しちゃえという動きが強くなった。
そこで回転軸の取り付け位置を下げ、ワイパーアームがボンネット内に格納されるようにしたものが、コンシールド(concealed=隠す)ワイパーというわけだ。ちなみにワイパーが半分くらい格納されるタイプを「セミコンシールドワイパー」と呼ぶ。
このコンシールドワイパー、「立てられないからしょうがない」と持ち上げることを諦めている人も多いのだが、そんなことはない。愛車の取り扱い説明書を読めば、対策がきちんと記載されている。
■取り扱い説明書に持ち上げる手順が書かれている
代表例としてトヨタ車をあげてみよう。トヨタはこの問い合わせが多いのか、ウェブサイトに専用ページを設け、ワイパーの立て方を動画で説明している。
トヨタ車の場合、ワイパーの立て方は2つあるようだ。ひとつは手動式。ワイパーブレードの付け根部分を抑えてガラス面に沿って強めに引き上げると、ワイパーブレードがわずかに動作した位置で止まる。この状態でワイパーを起こせば、ワイパーが持ち上げられる仕組みだ。戻すときは逆の手順でやればOK。
注意点は、力を入れてワイパーを引き上げるとき、くれぐれもワイパーブレードの端っこを持って行わないこと。ワイパーブレードが変形し、正しくガラス面を拭きとらなくなってしまうためだ。
コンシールドワイパーを持ち上げるもうひとつの方法は、ワイパースイッチを操作する方法。エンジンを切ったら45秒以内にワイパースイッチを上方(レバーに記載された△の向き)に持ち上げ、そのまま2秒以上保持する。するとワイパーが動作して上死点で止まるので、その状態でワイパーを持ち上げればよい。
トヨタ車に限らず、このようにコンシールドワイパーを持ち上げる方法は、車種ごとにきちんと手順化されていることが多い。愛車がコンシールドワイパーだったら、取り扱い説明書を確認してみよう。
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