おじさん世代から異議あり!!　なんでもかんでもクルマの装備を自動化にしちゃうってどうよ

思わぬ犯罪の手口に？　「スマートキー」

　ポケットやカバンに入れておくだけでドアの解錠ができ、スイッチオンでエンジンの始動ができる便利なスマートキー。こちらも近年になって急速に普及している。

　スマートキー自体はその名称どおりスマートなシステムだが、実は犯罪に利用されてしまうこともある。それがリレーアタックと呼ばれる窃盗だ。

　スマートキーは常時微弱な電波を発信していて、この電波を利用して解錠などを行う。そしてリレーアタックではこの電波を受信して増幅することにより、スマートキーを持っていない人間でもドアロック解除とエンジン始動ができるようになる。

　リレーアタックの手口は以下だ。スマートキーの電波を受信する機械を持った一人が運転手に近づき、スマートキーからの電波を受信する。その電波は増幅されてクルマのそばにいる犯罪グループの仲間に送られる。

　増幅された電波を自身の持つ受信機でキャッチした犯罪グループのもう一人が、この電波利用して解錠とエンジン始動を行い、そのまま盗んだクルマで逃亡するのだ。

　スマートキーの利便性を悪用したリレーアタックによる被害は、海外で数多く報告されている。そして我が国でも実際に同様の犯罪が行われているという。

　電波を遮断するケースに入れてスマートキーを持ち歩く、あるいは微弱電波の発信をオフにすればリレーアタックから自分の愛車を守ることができる。また、リレーアタック対策モードのある盗難防止装置も販売されている。

　しかし、こうした対策を行うとせっかくのスマートキーの便利さが損なわれてしまうのも事実。今後はメーカーがより安全性の高いスマートキーの開発に成功してくれることを祈るのみだ。

これは余計なお世話かも…「リバース連動ミラー」

　最後に紹介するのはリバース連動ミラーだ。これは、ギアをバックに入れた際にサイドミラーの角度が自動的に下向きになり、駐車場の枠線などを写すというもの。

　一見この機能は便利に思えるが、リバース連動ミラーにはメリットばかりではなくデメリットもある。

　サイドミラーでどこを確認したいのかは、そのときの状況によって変化し、下を見るのが常に最優先されるわけではない。

　駐車場の枠内にクルマを収めたいときや、タイヤロックを確認したい場合にはミラーが下を向いていると便利だが、後方に人や他のクルマがいないかを先に確認したいこともあり、その際はミラーが通常の角度であったほうがいい。

　つまり、状況に応じて自分で電動ミラーの角度を調整すればいいだけ。それを考えると、リバース連動ミラーは少々お節介ともいえる。

　リバース連動ミラーの作動をキャンセルできるクルマもあり、それはこの機能を不要と考えている人も多いということを示している。もちろん、便利に思っているなら積極的に活用するのが正解。

　クルマの制御が今後ますます高度で複雑化してくると、自動化装備も増えるはず。将来的には思わぬ機能が自動化されるかもしれない。それはそれで楽しみではあるが、ある程度はドライバーが自分の判断で操作する機能があったほうがよいという考えもある。

　空調がきいた快適な住まいを離れて、あえて屋外でキャンプを行うなど、世の中には“不便だからこそ楽しい”と思えることもある。クルマの運転にだって、そうした要素は残されている。

　だからこそ「この自動化ってホントに必要なの？」と考えることが、より実用的かつ安全な自動化装備の発展につながるはずだ。