■自動車バンパーの現在
バンパーの役目が大きく変わってくるのは20世紀後半のこの時期からだ。クルマの安全性能が問われるようになり、各国で衝突安全基準が厳しくなっている。
最初は「フルラップ衝突」試験だった。コンクリートの壁に真っ直ぐぶつけ、キャビンの変形をチェックするのである。これはボディをつぶれやすい構造にすれば合格できた。
だが、実際の事故形態と違うと批判され、「オフセット衝突」試験が採用されるようになる。こうなるとボディをつぶして衝撃を吸収するだけではキャビンが変形し、乗員はケガでは済まないのだ。
新たにオフセット衝突が採用され、後方からの衝突に対しても厳しい要求が出されるようになっている。歩行者保護も加わったから、バンパーの存在意義もデザインも大きく変わるようになった。
最近のバンパーは、成形の自由度が大きいからボディに溶け込んだ美しいデザインとなっている。フロントマスクと違和感なくつなげられ、一体化を心掛けているからバンパーと分かりづらいものも多い。
全長が決まっていてデザイン代の少ない軽自動車のバンパーは苦労の連続らしい。ちなみに現行モデルでバンパーの存在感が際立っている例外作品は、SUVのジムニーだ。EVが増えてくる近い未来、前後のバンパーはどのように進化していくのだろう。
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コメント
コメントの使い方昔のバンパ-はフレ-に取り付け、ボディ前面の傷防止が主な役割
その後モノコックになり、衝撃吸収バンパ-になったがバンパ自体の修理費が20万円近くに、