■アクセラからマツダ3への変化は受け入れられるか?
代わって登場したのがアクセラだ。ファミリアは小型車枠にこだわっていたが、アクセラは世界に通用するようにワイドボディを採用。
エンジンも2.3LのMZRを設定する。4ドアセダンもあるが、主役はアクセラスポーツを名乗る5ドアハッチバックだ。
VWゴルフVやオペルのアストラなどと真っ向勝負するCセグメントのファミリーカーで、日本よりも海外で高い評価を獲得した。
2009年に2代目のアクセラが登場し、4年後の13年11月には3代目となる。
SKYACTIVテクノロジーを駆使し、新世代のクリーンディーゼルも設定した。
モデルチェンジのたびにボディサイズを拡大した結果、歴代のアクセラは欧米で信頼を勝ち取り、マツダのブランドイメージを大きく引き上げることに成功している。
言うまでもなく、海外でのネーミングは「マツダ3」だ。数字の車名は日本では馴染みにくいからアクセラと名付けたが、販売台数が少ないこともあり、ファミリアほど名前は浸透していない。
これに対し、海外では好評だ。欧米に軸足を置いたマツダ3は安定した販売を記録し、知名度も高くなっている。
北米では4ドアセダンが、ヨーロッパ市場では5ドアハッチバックが不動の地域を築いた。
こうなると日本でも海外と同じネーミングを使いたくなる。
そこで4代目は、多くの人に車名が知れ渡っていないアクセラの名を捨て、海外で親しまれている「マツダ3」にすることにしたのだ。
21世紀になるとファミリアからアクセラに車名を変更し、20年を待たずしてアクセラからマツダ3へと車名を変えた。
まさに出世魚のごとくである。トヨタのクラウンやカローラと違い、マツダ車のオーナーは同じ車名のクルマを何台も乗り継ぐことが少ない。
昔と違ってブランドネームにこだわりを持つ人は少ないはずだ。車格も上がっているから、名前を変えても気にする人は少ないだろう。
気に入っていれば名前が変わっても買うから、売れ行きが鈍ることはないと思う。
ただし、ヨーロッパと違って数字やアルファベット1文字の車名は、日本人に馴染みにくいのも事実だ。
マツダは90年代にユーノス店やオートザム店向けの車名を数字とアルファベットにしたが、覚えてもらえなかった。
浸透させるためには、積極的にコマーシャルを打つ必要があるし、看板の付け替えなども必要になる。ここはマツダのお手並み拝見だ。
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