悪徳中古車店の「悪い噂」 ビッグモーター案件は氷山の一画なのか?

「新車飛ばし」も闇が深い

 中古車業界の闇として、もうひとつ取り上げたいのが、「新車飛ばし」だ。新車とばしとは、新車納車されたクルマをすぐに中古車オークションへ出品すること。ランドクルーザーやレクサスLX、アルファード/ヴェルファイア、そして国産スポーツカーなどで横行している行為だ。これらのモデルは海外で異常に人気が高く、新型が登場すれば、「いくら出してもいいからすぐに欲しい」とする海外の販売業者(と顧客の富裕層)へ売り飛ばすため、たとえ新車価格の倍近くになろうとも落札されていく。

 実際、2023年7月に納車が始まったばかりの新型アルファード/ヴェルファイアも、すでに業者向けオークションへ出品されており、7月末の中古車オークションでは、アルファードハイブリッドが2500万円、アルファードが1500万円を超えた事例が確認されている。

 一撃で数百万円の利益をカンタンに得られるのだから、正規販売店との約束を反故にしてペナルティを受けようともやめられないのだろう。新車飛ばしがバレないよう、他県まで購入しに行く人もいるそうで、減らないどころか、増え続けている状況だそうだ。

 もちろんそのぶん、乗ることを楽しみにしている一般の購入者への納車は遅れることになる。一時期の長い新車の納車待ちの状況はだいぶ解消されてきていはいるが、一日も早くクルマに乗りたい、純粋なユーザーにとっては、非常に迷惑な行為だ。

「新車飛ばし」が横行すれば、そのぶん、乗ることを楽しみにしている一般の購入者への納車は遅れることになる。楽しみにしているユーザーにとっては、迷惑千万な行為だ(PHOTO:Adobe Stock_ hit1912)
「新車飛ばし」が横行すれば、そのぶん、乗ることを楽しみにしている一般の購入者への納車は遅れることになる。楽しみにしているユーザーにとっては、迷惑千万な行為だ(PHOTO:Adobe Stock_ hit1912)

不正が起こらない仕組みづくりを

 今回ビッグモーターの悪事が明らかになったことで、関係のない中古車店にも、顧客から辛辣な言葉を浴びせられたり、イタズラ電話やメールなどが送られてきたりしているそう。善良な経営をしてきた中古車店にとっては迷惑でしかない件ではあるが、今回の件をきっかけに、業界として、不正が起こらない仕組みづくりをしていくことは必要ではないだろうか。

今回の件をきっかけに、業界として、不正が起こらない仕組みづくりがされていくことを期待したい(PHOTO:Adobe Stock_Pormezz)
今回の件をきっかけに、業界として、不正が起こらない仕組みづくりがされていくことを期待したい(PHOTO:Adobe Stock_Pormezz)
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