軽自動車たちを比べると軽規格の中だとなかなか差別化が難しい。燃費も一緒でほとんどが20km/Lを超えるクルマばかり! そこで輝きを見せたのがスズキのアルト。新車価格109万円は破格すぎる!!
※本稿は2023年5月のものです
文/清水草一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年6月26日号
■109万円でこの燃費はスーパーだ!
軽自動車のメカはシンプルだ。エンジンは全車3気筒660cc。そこにターボかマイルドハイブリッドが付くのみだが、燃費性能はほぼ全車高く、WLTC燃費で20km/Lを切るモデルは例外的だ。ジムニーとアトレーなどキャブオーバータイプを除けば、すべてがスーパー燃費カーの部類に入る。
パワーユニットの性能は大きく変わらないので、燃費を向上させるには、軽量化が最大のカギになっている。
頂点に君臨するのが、軽量&マイルドハイブリッド機構を持つアルトだ。「アルト ハイブリッドS」の車両重量は700kg、WLTC燃費は27.7km/L。登録車のフルハイブリッドモデルと肩を並べている。
加えてアルトが素晴らしいのは、値段がスーパー安いこと。
この燃費で、価格はたったの109万円! ハイブリッドやディーゼルなどの低燃費システムはコストがかさみ、価格が上昇するのがアタリマエだが、アルトは軽量ボディと安価なマイルドハイブリッドシステムだけで、ここまでの低燃費を実現させている。スーパー激安だ。スゲエ!
軽の燃費に関しては、スズキが一頭地抜けており、トールワゴンクラスもハイトワゴンクラスも、スズキがトップを走っている。
他社モデルとの差はわずかで、出費としては無視できるレベルだが、燃費は記録への挑戦であり自己満足と考えれば、「軽自動車界の燃費スーパーメーカーはオマエだぜ! アッパレ、スズキ!」となる。
■EVでは航続距離はもちろん「電費」のよさも肝心
EVでは航続距離ばかりが注目されるが、電費がよければ小さなバッテリーで長い距離を走れる。モーターはどれも高効率で差がないので、ポイントは主に車両重量と空気抵抗、そしてバッテリーマネージメントになる。
各社似たような電費のなかでのトップはテスラだ。テスラはバッテリー容量を公開していないので、あくまで推定値だが、電費トップはテスラモデル3(RWD)。
全高が低いセダンタイプで空気抵抗が小さいうえに、テスラはバッテリーマネージメント性能でライバルをリードしている。結果、かなりブッチギリの電費性能を実現しているようだ。
フィアット500eとホンダeの健闘は、バッテリー容量の小ささゆえのボディの軽さが貢献している。
●勝者はやはりテスラなのか!?
・テスラ モデル3(RWD):9.6km/kWh(推定)
・フィアット 500e:8.0km/kWh
・ホンダ e:7.3km/kWh
※テスラ モデル3(バッテリー容量59kWと推定)の圧倒的な電費性能に驚かされる
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