■給油量でどれだけ燃費が変わるのか計算してみた
では実際にSUV人気NO.1のトヨタライズを例にとり、給油量でどれだけ燃費が変わってくるのか計算してみた。
●トヨタライズG(2WD)、WLTC燃費/18.6km/L、JC08モード燃費/23.4km/L、燃料タンク容量:36L、燃料/無鉛レギュラーガソリン
・満タン、36L給油した場合=ガソリンの重量は約27kg
・20L給油した場合=約15kg
・10L給油した場合=約7.5kg
※レギュラーガソリン1Lあたり約0.75kgとして計算
ライズの燃料タンクを満タンにすると、ガソリンの重量は1L当たり約0.75g、約0.75g×36L=約27kg。そして20L給油した場合は約15kg、10L給油した場合には約7.5kgとなる。
これを約10kgの軽量化で約0.2km/Lの燃費改善が見込めるという日本アルミニウム協会のデータに当てはめると、満タンにした場合(約27kg)に比べ、給油20Lは約12kg軽いため約0.24km/Lの燃費向上、給油10Lは約19.5kg軽いため、約0.39km/Lの燃費向上となる。
これをライズのWLTCモード燃費18.6km/Lに足しても、給油20Lの場合は18.84km/L、給油10Lでも18.99km/Lにしか増えない。
燃費の差で生じる20Lの走行距離差が20L×0.24km/L=4.8kmでこれを20L給油の18.84km/Lの燃費で割ると0.25L余分に走ったことになるので、180円/Lでは45円得したことになる。
いまやほぼすべてのクルマは燃料ポンプが燃料タンク内に内蔵されている。この場合、燃料ポンプは周囲の燃料によって冷却されながら稼動している。
そのため、ギリギリの状態で走行すると燃料ポンプが熱を持ってしまい、ポンプの寿命が短くなってしまう恐れがあり、燃料タンクの残量が少ない状況で保管を続けていると、ガソリンの劣化が早まってしまう。
災害などで燃料の供給が不安定になることも、最近は珍しくなくなってきたこともあり、ある程度燃料タンクに備蓄しておくという考えも必要だ。
また現実的な話として、ガソリンスタンドが遠く離れていれば、そのぶんだけ燃料を消費することになるのだから、給油は近くのガソリンスタンドが基本だ。
しかし、こんな時代、どれだけ節約できるか細かく計算してみるのもいいだろう。例えば安いガソリンスタンドが自宅から5km離れていた場合、街中の燃費をリッター20kmとすると0.25L消費する。自宅近くのガソリンスタンドのレギュラーガソリンは177円、5km離れた安いガソリンスタンドは172円と価格差は5円。
自宅近くのガソリンスタンドで入れた場合は177円×50L=8850円。5km離れたGSは172円×50L=8600円、自宅から5km走った分のガソリン代43円を足すと8643円。8850円-8643円=207円お得になるというわけだ。30L給油した場合は107円しか得にならない。労力を考えるとどうみるか……。
こうして愛車の実燃費や安いガソリンスタンドの自宅からの距離(メーターの積算計)をしっかり確かめて、いくら節約できるか考えてみるのも悪くない。これを面倒くさいとみるかはあなた次第ということだ。
今後、ガソリン価格の動向を見極めながら、燃費を向上させるために、急のつく発進や加速をやめ、ふんわりアクセルを心がけて、ラゲッジルームに重い荷物を載せないこと。
そして微々たるものだが燃費面を考慮し、燃料タンクに半分以上の残量があることを基本にしつつ、節約効果を確かめて安いガソリンスタンドで燃料を継ぎ足して、燃料の劣化を防ぐことをおススメしたい。
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