NSXにインプレッサ……最高出力は驚異の1176馬力!! 名機を生み出すコスワースって何者よ!?

NSXにインプレッサ……最高出力は驚異の1176馬力!! 名機を生み出すコスワースって何者よ!?

 モータースポーツを軸に名機を作り数々のタイトルを獲得しているコスワース。ここではモータースポーツ、日本車との関係、欧州車との関係など、コスワースの功績と作品を振り返っていこう!

※本稿は2023年7月のものです
文/永田恵一、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年8月10日号

■複数のタイトル獲得! コスワースとモータースポーツ

F1初勝利はロータスのジム・クラーク、最後の優勝はベネトンのミハエル・シューマッハがそれぞれマーク
F1初勝利はロータスのジム・クラーク、最後の優勝はベネトンのミハエル・シューマッハがそれぞれマーク

 コスワースのモータースポーツ活動で一番長い歴史を持つのが、2000年代後半に途切れたことはあったものの、1967年から2013年までフォードとのコンビで続いたF1だ。

 特にコスワース最初のF1エンジンとしてフォードの資金提供により開発されたDFV(3L、V8)は、1967年にロータスに供給された後、1968年から市販化。

 最終的には1980年代前半までに155勝、ドライバーズタイトル12回、コンストラクターズタイトル10回を獲得するなど、長きにわたって第一線で活躍し、F1を支えた。

 また、DFVは3.5L時代ではDFZ、DFRと発展。さらにF3000やグループC、ターボ化されてインディでも使われるという、高い汎用性も備えていた。

 コスワースはDFV系からの勇退後1.5L、TECターボを経て、ベネトンなどのワークスチームにHB、ZTEC-R、CR、プライベーターにもEDなどを供給。コスワースは長年F1にはなくてはならない存在だった。

 コスワースはレーシングエンジンだけでなく、後述する市販車のエンジンも手掛けるエンジンビルダーだけに、グループAレースやWRCといった市販車用をベースにしたレーシングエンジンのチューニングもフォード系に限らず多数行った。

 特に1990年代のDTM(ドイツツーリングカー選手権)ではオペルカリブラのエンジンチューンを担当。DTM最後となった1996年にはコスワース、オペルにとって初となる、ドライバーとマニュファクチャラーのダブルタイトル獲得に大きく貢献した。

■NSXにもコスワースエンジン搭載!!

2代目ホンダ NSX。エンジンはヘッド、ブロックともにコスワース製。Vバンク角の広角化やオイル供給はドライサンプ化されているなど、パッケージングにも配慮されたレーシングエンジン的なもの
2代目ホンダ NSX。エンジンはヘッド、ブロックともにコスワース製。Vバンク角の広角化やオイル供給はドライサンプ化されているなど、パッケージングにも配慮されたレーシングエンジン的なもの

 コスワースは特に少量生産の市販車用エンジンの開発にも長けており、日本車でもコスワースがエンジンの基礎開発、チューニング、パーツ開発を行った例がある。

 まずエンジンの基本部分からコスワースの関与が公式に認められているのが、2代目NSXの3.5L、V6ターボだ。

 具体的な技術の一例としてはシリンダー内部に通常ある鋳鉄製のライナーをなくしプラズマコーティングとすることで、軽量化だけでなく燃費向上と出力アップに寄与する燃焼温度の上昇が実現されており、調べてみるとまるで某和製スーパーカーを思い出させるエンジンだった。

 コスワースによるエンジンチューニングが行われていた日本車の代表例は、3代目インプレッサWRX STIの英国仕様にあった限定車となるCS400だ。CS400はコンプリートカーという形で、考えてみればグループA時代のWRCでライバルだったスバルを「コスワースが手掛ける」という点に驚く。

 コスワースのパーツ採用では初代86&BRZ、ブルーバードSSS-Rの鍛造ピストン、3代目ロードスターのスーパーチャージャーキットという例がある。特に初代86&BRZはスーパーチャージャーなど数種類のメニューが用意されていたのも特徴だった。

次ページは : ■コスワースが関与した欧州車

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