排気系からの異音
●「大きなブォーやボー、バリバリバリ……」
段差通過時などにマフラーやエキゾーストパイプ、触媒が損傷した、腐食で排気系に穴が空いている場合に出る異音。
外部からの力ではなく、エンジンの異常燃焼(この場合はエンジン不調も起こる)によって触媒が損傷している場合もあり、いずれの場合も排気ガスの浄化機能が失われている可能性大。環境にも悪く、車検にも通らないので交換もしくは修理する。
アイドリング中に金属音がする場合はゆがみや劣化で遮熱板が振動している、ゴム製のマフラーハンガーが劣化してマフラーやエキゾーストパイプなどに遮熱板が接触している可能性もある。
足回りからの異音
●「キーキー」
ブレーキパッドやブレーキローターの摩耗、ブレーキローターとブレーキパッド間に異物を噛み込んでいるときに出る異音。すぐに深刻な事態となるわけではないが、放置すると出費がかさむ方向なので、出始めたら早めに点検・交換。
●「シャーシャー、シャッシャッ」
かすかな「シャーシャー、シャッシャッ」音で、ブレーキをかけると消える場合はブレーキパッドとブレーキローターが擦れて異音が出ていることが多い。
原因はブレーキピストンの動きが悪い、ローターがゆがんでいるなどで、いきなり大ごとになることはない。だが、ブレーキピストンの動きが悪い場合は、片利きとなって危険。オーバーホールをお薦めする。
ブレーキ関係以外ではハブベアリング(多くは「ゴロゴロ、ゴー」などの異音)の可能性もあるが、ブレーキ同様即大ごとになることはない。しかし、放っておくと大出費につながるので早めに点検・交換。
●「コトコト、ゴトゴト」
段差を越えるときに異音がする場合は、サスペンションアームのブッシュ劣化によるガタやダンパーの寿命の可能性もある。
ハンドルを切ったときに異音がする場合は、ドライブシャフトのジョイント部の摩耗やタイロッドエンド部の摩耗が考えられる。
いきなり走れなくなるものではないが、放置するとハンドル操作と実際のクルマの動きに遅れが発生する、「思ったほど曲がらない」といった支障が起こるようになる。
こうなると大事故につながりかねないので、早めにカーショップなどで点検・交換を行うこと。
自然治癒はない…だから迅速な対処を
筆者は以前、足回りからの異音を「そのうち直そう」と放置していて、大事故を起こしかけたことがある。
愛車のクロカン4駆(フルタイム)で自宅からかなり遠方の高速道路を走行中、下回りから「ゴーゴー」という異音が。
少し前から音はしていたが、この日は少し大きめだった。イヤな予感がして低速走行で近くのサービスエリアに行ってクルマを停め、下回りへ潜って各部をゆすってチェック。
そしてプロペラシャフトを掴んでゆすってみた。するとリア側プロペラシャフトのジョイント部が驚くほどガタガタ!
即ロードサービスを呼び、サービスエリアから最寄りの工具専門店へ。必要な工具を買って、問題のあったリアのプロペラシャフトを外してFF状態でなんとか帰宅。
その後その状況をプロショップで話すと、走行中にリアシャフト後部が締結されたまま前部が地面に脱落した場合、「棒高跳びのようにクルマが前に投げ出されますよ!」と言われたのだった。
「そのうち」をあのまま放置していたら、大変な大事故を起こすところだった……。
ここで紹介した代表的な異音以外にも異音は存在する。大事なことは、愛車からの異音には常に耳を傾け、確認したら即対処するのが安心してクルマに乗るための基本。放っておいても、自然に直ることは絶対にないのだから……。
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