■欧米は前向きが主流? その国ならではの事情が反映されるクルマの停め方
限られたスペースを有効に使うため、狭い駐車場が多い日本とは対照的に、駐車場のスペースに比較的余裕があるアメリカやヨーロッパ諸国などでは、やはり「前向き駐車」のほうが一般的なようだ。
これは駐車枠が広く、そこに進入するための車路など周辺のスペースも内輪差を気にしなくていいだけの十分な余裕がある場所であれば「前向き駐車」の方がクルマを停めやすいためだ。
また「前向き駐車」の場合、クルマのリア側が出庫口の方を向くため、トランクやバックドアの開閉がしやすいというメリットもある。
スーパーやショッピングモールなどで購入したたくさんのモノを積み込むときや、大きな荷物を入れる際にも便利なため、食品や生活用品をまとめ買いすることが多い欧米のライフスタイルにマッチしている。
さらにクルマの盗難被害が多い地域では、バックでの出庫を余儀なくされ、「後ろ向き駐車」と比べてクルマを出すのに時間がかかるという点も、「前向き駐車」のメリットと捉えられているようだ。
同じ「クルマを停める」という行為にも、その地域ならではの事情やお国柄が反映され、そこに合った文化として定着しているわけだ。
■国内で増殖中!? 前向きが必要とされる駐車場とは?
狭い駐車場が多い日本では「後ろ向き駐車」が主流であることは間違いないが、場所によっては「前向き駐車」が指示されることもある。
そういった指示が多い駐車場として最近増えて来ているのが、住宅街などにあるコンビニやスーパーマーケット、ファミレスなど飲食店の駐車場だ。
特に隣の住宅などと接する駐車スペースでは「前向き駐車でお願いします」といった指示がされていることが多いが、これは排ガスや騒音などによる近隣住民とのトラブルを未然に防ぐことが目的。
駐車する向きは、あくまで店側の“お願い”であるため、仮に後ろ向き駐車をしてしまった場合でも罰則などはもちろんないが、店舗や周辺住民への配慮という点を考えれば、おとなしく指示に従うのが賢明だろう。
とはいえ、前述のとおり狭い場所での「前向き駐車」には接触などのリスクがあるため、駐車スペース周辺の壁や周りのクルマ、周囲の人の流れなどには十分注意したい。
前向きと後ろ向き、どちら向きにクルマを停めるかは駐車する場所に合わせた臨機応変な対応が必要となる。どちらを求められてもスマートに対応できるよう、常日頃から駐車のテクニックを磨いておいたほうがいいかもしれない。
【画像ギャラリー】前向き、後ろ向き駐車のメリットとデメリットは?(8枚)画像ギャラリー
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