危ない? 邪魔?? そんなこと言わないで…「自転車を免許制に」の是非を考える

危ない? 邪魔?? そんなこと言わないで…「自転車を免許制に」の是非を考える

 警察庁によると、令和4年中に発生した自転車が第一当事者又は第二当事者となった交通事故の件数は69,985件で、前年より291件増加。全交通事故に占める構成比は平成28年以降増加傾向にあるそうです。

 信号無視や一時停止違反、夜間の無灯火や傘差し運転、さらには逆走や歩道を爆走、イヤホンをしたままやスマホを凝視しながら走るなど、自転車の運転に関しては、交通ルールを守るという意識があまり定着していないように感じます。ルールを遵守し、自転車が関係する交通事故を少しでも減らしていくため、一部では、「自転車も免許制にすべきではないか」といった声もあがっています。

文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_yamasan
写真:Adobe Stock、写真AC

自転車は車両の一種であり、違反すれば罰則もある

 自転車は、道路交通法上「軽車両」ですので、通行できるのは原則、車道(一部の歩道には、「自転車歩行者道」いわゆる「自歩道」や、「歩行者と自転車」が描かれた道路標識が設置された場所、「普通自転車歩道通行可」の標識がつけられた区間は例外的に自転車で歩道を通行することが認められています。)です。13歳未満の子供が自転車を運転する場合は、歩道を通ることができますが、歩行者優先であることは変わらず、歩道では車道寄りの部分を通行することが求められます。

 また、クルマやバイクと同じように、信号や一時停止の交通ルールを守る義務があり、無灯火、逆走、スマホ操作、そして飲酒運転も、クルマやバイクと同様にしてはいけません。また、(道路標識等により認められている場合を除き)自転車同士で並走してはいけませんし、見通しのきかない交差点では徐行することも求められます。こうした違反に対しては、道路交通法において罰則も設定されています。

自転車は、標識等で認められている場合を除き、原則歩道を通行することはできない(PHOTO:Adobe Stock_ U4)
自転車は、標識等で認められている場合を除き、原則歩道を通行することはできない(PHOTO:Adobe Stock_ U4)

 しかし冒頭でも触れたように、自転車の運転に関しては、ルールを守るという意識があまり定着していないように感じます。そもそもルールを知らない(失念してしまっている)人も少なくないかもしれません。

 ルールを周知し、守ってもらうためには、自転車にも免許が必要ではないか、とする向きもありますが、SNSなどでは、「交通ルールを知れば、違反自転車は減るはず」 「自転車が関係する事故を減らすことができる」 「軽車両という認識を全員が持ってほしい」 「子供には自転車の交通ルールを学校教育に入れて教えるべき」とする声がある一方、「自転車専用道の整備が遅れていることが原因(免許証以前の問題)」 「教育する機会があればよい」 「また余計な税金が増えるのは嫌(免許制度導入のコストの問題)」 「そもそも効果があるとは思えない」 「警察による取り締まりが強化されるべきだ」とする声も少なくなく、賛否両論があるようです。

次ページは : 守らなくていいという空気が社会のなかでできてしまっている

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