■日常的なちょっとした油断にも潜んでいる「踏み間違い」の危険
また、日頃何気なくやってしまっている行動が踏み間違い事故へとつながってしまうこともある。
例えば、近所のコンビニなどへのちょっとした買い物にクルマで出かける際、サンダル履きのままクルマを運転したりはしていないだろうか?
運転に適していない靴を履いた状態でのペダル操作は、踏み込む際に脱げてしまったり、雨などで濡れたことで足が滑るなど、ちょっとした拍子にアクセルとブレーキを踏み間違えてしまう可能性がある。
踏み間違いとはやや異なるが、厚底の靴が引っ掛かってアクセルが戻らなくなり、クルマが暴走したという事故が話題になったことを覚えている人も多いのではないだろうか。
同じように、足元に敷くフロアマットがきちんと固定されておらず、それがズレたことにより踏み間違いや、マットがペダルに引っ掛かり、アクセルが戻らなくなるといった事例も過去には起こっている。
また、すでに違反となっている運転中のスマホ操作など、他のことに気をとられたせいで踏み間違いを起こしてしまうパターンも多い。
公益財団法人交通事故総合分析センターによる統計によると、踏み間違いが原因とされる死傷事故は、2018~2020年の3年間の累計で1万件近くも発生している。
世間的には「高齢者が起こすもの」と思われがちな踏み間違いが原因による事故だが、同統計の年齢別による事故件数のデータによれば、24歳以下の若年層のほうが75歳以上の高齢者よりも多い。
つまり、若いドライバーだからといって踏み間違いを起こさないというわけではないということだ。
踏み間違いによる事故は年齢に関係なく誰もが起こす可能性があり、運転中のちょっとした気の緩みや油断が、そのきっかけになりうるということだ。
■事故の多くは「あの場所」で起こっている! 踏み間違いが発生しやすいシチュエーション
では、踏み間違いによる事故はどのような場所やシチュエーションで起こりやすいのだろうか。
当たり前ではあるが、踏み間違いによる事故はアクセルとブレーキの操作を交互に切り替える必要がある場面で起こるため、同じ方向に向かってスムーズに流れている道路上などでは発生する可能性は比較的低い。
もちろん、道路上であっても停止や発進が必要となる信号待ちや右左折時などは踏み間違いによる事故が発生するケースがあるが、より事故の頻度が高いとされているのが、サービスエリアやコンビニなどの駐車場だ。
例えば、狭い場所にバックで駐車をする場合、アクセルとブレーキを何度も踏みかえるのに加えて、ハンドル操作や周辺を通る人やクルマの確認など、同時にいくつもの操作をこなさなければならない。
この時、後続のクルマなどからのプレッシャーを感じて焦るあまり踏み間違いをしてしまったり、後方確認のために無理な体勢をとったことでアクセルをうっかり踏み込んでしまったりすることがある。
また、コンビニの店舗前などに前向きに駐車する際、停車するためにブレーキのつもりがアクセルを踏んでしまい、パニックからさらに加速して店舗に突っ込んでしまうケースも。
駐車場出口では、料金を支払うために駐車券やお金を精算機に入れようと体を伸ばした際にブレーキを踏んだ足が滑り、アクセルを踏んでしまう踏み間違い事故も多発している。
このように、駐車場内ではちょっとしたミスや焦りが重なることで踏み間違い事故が起こりやすい。スピードが遅いからと油断は禁物! 誰もが事故を起こしてしまう可能性があるのだ。
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