■なぜ検査対象がハイビームからロービームに変わったのか?
そもそもなぜ測定対象がハイビーム(走行用前照灯)からロービーム(すれ違い前照灯)に変わったのか?
ヘッドライトの保安基準が1998年以降に製造されるクルマのヘッドライトがハイビームからロービームを基準に設計するようになったことにある。
変更された背景には、交通量が増えた現代においては対向車がいる状況が増えてきており、夜間走行時に主に使用するヘッドライトがハイビームからロービームに変わってきたことが挙げられる。
ハイビーム基準では、光軸検査は照らす基準が同じなら合格、光量は一番明るい部分が1mと10mで違いがなく規定より明るいこと、色の基準は黄色、白色だった。
ロービームは、ハイビームとは違い、対向車や先行車を眩惑しないように上方向の照らす光をカットしている。
このカット部分と照射部分との境目のカットオフラインと呼ぶが、運転席から見て左側にいる歩行者がよく照らせるように、途中から左に切れる形で設計されている。
検査では、正確な光軸を出すためにカットオフライン上の左上がりの開始点=エルボー点が規定の位置に置かれているかが厳しくチェックされる。
運輸局の資料によれば、前方10mを照らした時のエルボー点の位置が、適正な範囲にあれば問題ない。適正範囲は以下の通り。
地面から1m以下の場合
上下:中心を通る水平線より2cm~15cm下
左右:各27cmの枠内
地面から1mを超える場合
上下:中心を通る水平線より7cm~20cm下
左右:各27cmの枠内
このほか、車検ではヘッドライトの光量や色もチェックされる。ヘッドライトの光量については、1つのヘッドライトにつき、6400カンデラ以上という規定があり、ヘッドライトに反射した光量を測定している。ちなみに6400カンデラは15m先にある障害物を確認できる明るさだ。
ヘッドライトの色については、平成17年12月31日以前に生産されたクルマについては「白色または淡黄色」、平成18年1月1日以降の生産されたクルマについては「白色に限る」とされている。
コメント
コメントの使い方初代シエンタのHID仕様とか初代フィットのHID仕様、3代目レガシイBE/BH系の上下4灯仕様などは予備検のテスター屋でもLo調整はサジを投げられることが多かった。ましてや社外HIDやLEDに改造しているものは合格は厳しい。
このせいで廃車にされる車が多数出てくるだろう、って聞いた。
特にもうヘッドライトが部品出ない車。
それが狙いか?
実際曇ったライトと研磨したライトでは明るさ全然違うからしゃーない。
ほとんどのパターンは磨けば戻るし。
これのせいっつーても、軽ーい接触でレンズ割れることもあるんやし、旧車の部品は仕方ない。
実際これ頭が痛い問題で、平成20年前後位の車ならなんとかなる場合が多いけど、平成15年以前となると無理なのも多い。かと言ってヘッドライトの新品は生産中止、中古の程度の良いものはない。お客にしてみたら普通に使えてた車がいきなり車検不適合。なかなか納得してくれない。言っちゃなんだけど平成15年くらいの車は初回車検でもLoでの軸調整不能な車種なんてありましたよ。