ハイエース復活か!?? トヨタ車体製「ハイエースBEVコンセプト」の本気度を探る

耐久性や航続距離などが懸念され、結局はガソリン車を選ぶケースが大半では!??

 このハイエースコンセプトが現行のハイエースにとって代わるには、懸念されるポイントはいくつかある。ひとつはバッテリーの耐久性だ。平均で年間3万キロから4万キロ、なかには5年間で30万キロを超える距離を走るような使い方をされるハイエース。日本で使われなくなった20万キロオーバーのハイエースが、そのまま海外へと輸出され、現地で100万キロを目指して走り続けていることもあるそう。そんな使われ方をするハイエースに搭載するには、とんでもなく高い耐久性をもつ走行用バッテリーが必要。今回のハイエースコンセプトがどのレベルの耐久性をもつのかは非常に気になるポイントだ。

 また当然ながら、航続距離の長さも重要。5分のチャージ時間で再び500kmは走行できるガソリン車と違い、BEVではそれなりの充電時間を確保しないとならない。2列積みのバッテリーで長距離対応をしても、充電時間はそのぶん長くなる(さらには値段もはね上がり、荷室までも狭くなる)。

 前述したように、トヨタ(車体)としては、次世代のハイエースでは、ガソリン仕様とBEV仕様とを選べるようにしておきたい、とのことだったが、ハイエースの使われ方を考えれば、少なくとも現状のバッテリー技術ではかなり厳しく、心配性の日本市場はもちろん、(BEVを使わざるを得ないことになる欧州を除く)グローバル市場でも、万事安心できるガソリン車を選ぶユーザーが大半ではないだろうか。

平均で年間3万キロから4万キロ、なかには5年間で30万キロを超える距離を走るような使い方をされるハイエースには、高い耐久性が求められる
平均で年間3万キロから4万キロ、なかには5年間で30万キロを超える距離を走るような使い方をされるハイエースには、高い耐久性が求められる

既存のハイエースの代替にはなりえない

 決まったルートを巡回する、幼稚園バスのような用途であれば選ばれる可能性はあるだろうが、商用車における走行用バッテリーの容量の「落としどころ」を決めるのは、ユーザー側にとっても非常に難しい。詳細なバッテリースペックや積載容量は検討段階としていたが、今回のハイエースコンセプトでは、既存のハイエースの代替にはなりえないというのが、依然として解決されていないように感じられた。

 今後、繰り返しの充放電に強い全個体電池を採用したり、バッテリー交換所で乗せ換え可能とするバッテリー交換システムなど、次世代のハイエースユーザーの悩みになりそうなポイントを解決できる具体的な方策が出てくることを期待したい。

【画像ギャラリー】これが次期型ハイエース!?? ジャパンモビリティショー2023に登場したトヨタ車体の「ハイエースBEVコンセプト」(14枚)画像ギャラリー

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