「新型スペーシア」が絶対王者の「新型N-BOX」に勝てる4つのポイントとは? 軽スーパーハイトモデル市場は激戦区に!?

■スペーシアの勝ちポイント/2:安全&快適装備

ステアリングヒーターなど快適装備の設定も抜かりない新型スペーシア
ステアリングヒーターなど快適装備の設定も抜かりない新型スペーシア

 スペーシアの衝突被害軽減ブレーキは、右左折時にも、横断歩道上の歩行者や自転車を検知して作動すると明記されている。

 そのほか快適装備も充実する。エアコンなどの冷気を後席へ送るスリムサーキュレーター、メーターの情報を高い位置に表示するヘッドアップディスプレイ、ステアリングヒーターなどをグレードに応じて装着している。これらの装備は、N-BOXには見られない。

 新型スペーシアの開発者は「ステアリングヒーターは快適装備に思われるが、ステアリングホイールをしっかりと保持できるため、機能的には安全装備にも含まれる」と述べた。

新型N-BOXにはスリムサーキュレーターの設定はなし
新型N-BOXにはスリムサーキュレーターの設定はなし

 また、N-BOXはエアコンの冷気を後席に確実に送れるため、スリムサーキュレーターは不要という見方もしているが、扇風機のように風を直接乗員に当てられるメリットもある。安全&快適装備は、スペーシアのほうが多彩で充実している。

■スペーシアの勝ちポイント/3:収納設備

助手席の前側を見ると、最上段に大型トレイが装着されている新型スペーシア
助手席の前側を見ると、最上段に大型トレイが装着されている新型スペーシア

 スペーシアは実用的な収納設備やトレイが豊富だ。助手席の前側を見ると、最上段に大型トレイが装着される。

 先代型では同じ位置にフタの付いたボックスが備わり、新型はコストダウンを行ったのかと思ったが、開発者は「コロナ禍以降、車内で食事をするお客様が増えた。そこで弁当箱などを乗せられる大型トレイに変更した」と述べた。

 さらにトレイの下にはボックスティッシュも収まる引き出しがあり、その左側には引き出し式カップホルダー、最下段にはグローブボックスも備わる。このほか助手席の座面の下には、大型の収納ボックスも設置されている。ハンドルが装着されているから、車外に持ち出すことも可能だ。

N-BOXのインテリア。助手席前のグローブボックスは先代型から2倍の容量に増やされているという
N-BOXのインテリア。助手席前のグローブボックスは先代型から2倍の容量に増やされているという

 N-BOXは新型になって収納設備をシンプルにする代わりに、グローブボックスの容量を2倍に増やした。その点でスペーシア、車内のさまざまな部分に収納設備やトレイを配置している。

■スペーシアの勝ちポイント/4:後席のマルチユースフラップ

新型スペーシアのリアシートには3つのモードで利用できる「マルチユースフラップ」が座面先端に備わっている
新型スペーシアのリアシートには3つのモードで利用できる「マルチユースフラップ」が座面先端に備わっている

 新型スペーシアのハイブリッドX、カスタムXS、カスタムXSターボには、マルチユースフラップが装着される。後席の座面の前端に備わり、ミニバンのオットマンに似ている。

 マルチユースフラップを前側へ引き出すと、オットマンのようにふくらはぎが支えられ、リラックスして座れる。反転させて高い位置にセットすると、後席の座面の上に置いた荷物が走行中に床に落ちにくい。

 以上のようにスペーシアは、燃費性能、収納設備、安全&快適装備を向上させた。細かな機能や装備が目立つが、日常的な使い勝手が優れている。

新型N-BOX標準モデル(左)とN-BOXカスタム(右)。先代型よりも視界のよさや運転のしやすさに加え、乗り心地などを改善している
新型N-BOX標準モデル(左)とN-BOXカスタム(右)。先代型よりも視界のよさや運転のしやすさに加え、乗り心地などを改善している

 その点でN-BOXは新型になって、視界と運転のしやすさ、動力性能、ステアリング操作に対する車両の反応、乗り心地などを改善させた。つまり、クルマの基本性能を高めている。

 このようにスペーシアとN-BOXでは、重視する機能が異なるため、実際に両車を乗り比べて自分の好みや使い方に合った車種を選ぶといいだろう。

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