■開かない屋根に落ち着いた事情
ひと昔前まで、サンルーフやキャンバストップを採用した国産車は街中でいくらでも走っていたものだが、現在では目にする機会は激減。
これには、エアコンやベンチレーションシステムの普及で換気や採光という機能性を補完できたことや、クルマに求められる安全性に対するコスト増、雨漏りなどのトラブルへの不安など、さまざまな要因があるだろう。
かつてサンルーフがミニバンの人気オプションだった頃「サンルーフから顔や手を出さないようにね」なんて、家族の会話が普通だったが、いまや日産「セレナ」、トヨタ「ノア」、ホンダ「ステップワゴン」にすらサンルーフの設定はなくなってしまった。
果たしてオープンカーやサンルーフなどのクルマにおける開放感は、人々にとって必要なくなったのだろうか。結局、ユーザーもメーカーもそうした装備まで購入や開発の予算に手が回らないのが実情なのかもしれない。
窓や屋根を開けてドライブする楽しみのひとつは、その季節ならではの香りや景色を見られることだ。そんな楽しみを倍増させるためにも、ぜひオープンカーもしくは、それに近い感覚が味わえる装備は残していってほしいものだ。
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