■鈴木直也のJMS評
インターネットのおかげで、いまや誰でもどこに居ても欲しい情報が手に入る時代。だからこそ、現場に実際に足を運んで体験する“ライブ”の価値が高まっている。
ぼくが今回のJMSでいいと思ったのは、この“ライブ感”が凄く強かったこと。だからこそ、多くの人が足を運んでくれたんだと思う。
もちろん、どのへんにライブ感があったのかというのは人それぞれ。
ジャーナリストによるガイドツアーや、日替わりで登場するバンドやお笑い芸人の、まさに“ライブ”が面白かったという人もいるだろうし、随所で行われていたトークセッションや野外展示のアクティビティなどをエンジョイしていた人もいた。
このへんの工夫は、まさにモーターショーからモビリティショーへとネーミングを改めただけのことはあると思う。
メインのクルマ関連展示でも、「行かなきゃ見れない」というライブ感が強かった。
ひとつには、各社ともコンセプトカーの出展が多かったこと。ぶっちゃけ、量産車はその気になればディーラーでいくらでも見れる。
クルマ好きが大好きなのは、やっぱり非日常性を感じさせてくれるコンセプトカーの展示。これがバラエティ豊かで素晴らしかった。
また、ちょっとマニアックながら「ひととクルマのテクノロジー展」を彷彿させるサプライヤーやスタートアップ企業のブースも興味深いところが多かった。
JMSを採点すると?(各10段階評価)
・クルマ好きが楽しめた度:9
・未来のモビリティが見えた度:7
・家族で楽しめるイベントだった度:9
・世界に誇れるショーだった度:8
・従来のモーターショーからの変化した度:8
・入場料に見合った価値があった度:10
■国沢光宏のJMS評
「東京のモーターショーが日本のモビリティ全般を扱うショーにグレードアップした」なんてことは開催前、誰も思わなかった。
むしろ開催が近づいているのにメーカーから出展内容まったく紹介されず、それでいて自工会のプレスリリースは併催のエンタメイベントの案内ばっかり。
通常なら一カ月前には出展内容わかるのに、半月前になってもまったく盛り上がる雰囲気なし。この時点で「JMSは開催前から厳しいか?」という記事を書いたほど。
ところが追い込みで情報出てくると、自動車メーカーもしっかりクルマを出してきた。このあたりから雰囲気変わったような気がします。
先陣を切ったのはスズキ。免許なしで乗れるさまざまなモビリティを出してきた。いずれも魅力的。トヨタが出展内容を発表するや「面白いかもしれない」になっていく。
自工会や各社の広報、宣伝も急にチカラを入れ始める。開幕時にはそこそこの熱気になってきた。
プレスデイ大盛況。久々に海外のメディア多数。出展内容は自動車メーカーの東棟がかつてのモーターショーのように賑わう。
自工会仕切りの西棟も、玉石混交ながら面白い出展をメディアがたくさん取り上げる。平日すら大入り。土日は盛り上がっていた頃の東京モーターショーのような賑わいになる。
入場者数は目標の100万人を超え111万人へ。大成功だったと思う。気になるのが次のJMS。減ったら自工会会長の力量不足と言われちゃう?
JMSを採点すると?
・クルマ好きが楽しめた度:8
・未来のモビリティが見えた度:7
・家族で楽しめるイベントだった度:9
・世界に誇れるショーだった度:8
・従来のモーターショーからの変化した度:8
・入場料に見合った価値があった度:5
自動車だけではなく、さまざまなモビリティに間口を広げた新しいショーのコンセプトはよかったと思う。目標を上回る111万2000人の来場者で、ショーとしては大成功だといえる。
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