少し前までは「安・近・短」なバスツアーの人気がうなぎ上りだったが、ここ数年は「ゴージャスさ」を売りにしたバス旅が人気を集めている。
今回は全国各地のバスツアーとその豪華車両をご紹介。講談社ビーシー刊『バスマガジン』末永高章編集長によるオススメポイントも掲載。
なお気になるツアー料金だが、たとえば阪急交通社の『クリスタルクルーザー菫(すみれ)で往く 日本一周の旅〈東日本編〉12日間』で98万~120万円。はとバスの『ピアニシモで行く/西山温泉 慶雲館(1泊2日)』で5万~5万8000円。
貸し切り料金は、事業者などで異なるが都内での朝から夕方までの利用だと1台おおよそ18万円程度となっている。
「超豪華」というだけあってなかなかのお値段だが、末永編集長も触れているようにパートナーや両親へのプレゼントなどとして一考の価値ありかもしれない。
※本稿は2019年5月のものです
文:末永高章、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年6月10日号
■ロイヤルロード・プレミアム(JTB・定員 10名)

●ファーストクラスの乗り心地で至福の旅へ!
全席窓側の“至福の10席”と呼ばれるファーストクラスシートが用意されている。
移動中の車窓観光も気兼ねなくでき、全席独立シートのためひとりでのツアー参加にも適しているなど、至れり尽くせりの設定だ。

モニター、照明、テーブルなどの設備はすべてパーソナル仕様で、後部には広い化粧室も用意。「より快適な旅へ」というコンセプトを実践している。
■おもなツアー情報……新元号「令和」元年の伊勢神宮早朝参りや、伊勢の美食を愉しむツアーなどを設定した「ラグジュアリーバスで巡る夢の休日(初夏号)」が発売中。
●お問い合わせ先:03-6731-7690
●ウェブサイトはこちらから
■YuGa(ケイエム観光バス・定員 10名)

●パーテーション採用で気兼ねなくリクライニング
バス事業者が本気で作った豪華バスであるこの「YuGa」は、乗客定員10名という贅沢な空間に2×5というシート配列だが、隣席間に大きな肘掛けが置かれているため、プライベート感は保たれる。

またパーテーション式のため、シートリクライニング時にも後席に気を遣う心配も無用だ。
後部には広く機能的なパウダールームも用意されている。

■観光やビジネスの利用で活躍……バス事業者のため企画ツアーの設定はないが、豪華な旅の利用はもちろん、仕事でV.I.P.を迎える時の移動用として、また、移動会議室やイベント会場としての利用も可能だ。貸切バスなので、用途は相談できる
●お問い合わせ先:03-5705-5931
●ウェブサイトはこちら
■スターペガサス(群馬バス・乗客定員10名)

●わずか10席の本革プレミアムシートによる贅沢
群馬バスのスターペガサスも乗客定員10名の贅沢な仕様だ。2×5列のシートは後席への気遣い無用で大きくリクライニングする。
車内のドリンクサービスなどはもちろん、10インチマルチモニターやWi-Fi、USB電源も装備。パウダールーム調トイレは大好評だ。

■観光やビジネスの利用で大活躍!……企画ツアーを持たないため、旅行会社のツアーに参加するか、個人や法人で借りる。仲間で集まって「お大尽ツアー」というのも楽しい。
●お問い合わせ先:027-364-3423
●ウェブサイトはこちら
■ゆいPRIMA(神姫バス・乗客定員18名)

●JR九州の「ななつ星in九州」デザイナーによる心地いい世界
JR九州「ななつ星in九州」をデザインした水戸岡鋭治氏のデザインによる木目を生かした和テイストの車内が魅力だ。
座席は(2+1)×6の18名乗りというゆったりした設定。
後方にはアテンダントが飲み物などを用意するサービスコーナーと、洗面、トイレがある。

■おもなツアー情報……最近の最長ツアーとして関西発の「北海道6日間」が人気だ。行程内を同一バスで周遊する、「ゆい」ならではのツアーといえる。
●お問い合わせ先:0570-0570-11
●ウェブサイトはこちら
■クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」(阪急交通社・乗客定員18名)

●18人のための上質で快適な時間を堪能!
「乗ること」を楽しむ『上質なくつろぎ空間』として、乗客定員を(2+1)×6列の18席とした。
上質な布生地を多用したシートは最大129°までリクライニング可能。

車窓の眺望を楽しむため頭上の荷棚をなくし、座席の前に収納を設置している。デザインプロデュースは奥山清行氏。
■おもなツアー情報……「日本一周の旅12日間」。東日本編と西日本編があり、日本を半周する壮大なツアーだ
●お問い合わせ先:0120-08-9512
●ウェブサイトはこちら
■ピアニシモIII(はとバス・乗客定員24名)

●快適シートと上質なサービスの特別な黒いはとバス
黄色いバスで有名なはとバスにあって、真っ黒なボディの特別感あふれる車両だ。
乗客定員は(2+1)×8の24名。革張りの心地よいシートで、定評のはとバスツアーのなかでも「貴賓席の旅」のカテゴリーで運用される。
車両後部の化粧室も広く、上質なバスツアーが楽しめる。

■おもなツアー情報……「宿泊コース」と「日帰りコース」があり、いずれも上質な旬・食・宿にこだわったツアーが季節ごとに随時発表されている
●お問い合わせ先:03-3761-1100
●ウェブサイトはこちら
■ツアーメニューも充実快適な時間を過ごせる
(TEXT/末永高章 バスマガジン編集長)
スタンダード仕様なら50~60人を乗せて走る観光バスの内装を一新し、10名~20名程度の定員という、ツーリストが移動中の車内でゆっくりと過ごすことができる超リラックス仕様のゴージャスなバスは、集合地でバスに乗った瞬間から豊かな時間が始まるという、夢の自動車だ。
もともとツアーバスなら目的地への移動、目的地エリアでの各観光スポットへの移動も乗りっぱなしで連れて行ってくれる。乗り換えや時間待ち、徒歩移動などナシだ。

ここで紹介するハイグレードなツアーバスたちは、乗客ひとりあたりの占有空間が広く、大きくて上質なソファのようなシートでくつろいだまま移動できることから、移動中の疲れも少ない。鉄道や航空機のトップグレードシートにも負けない乗り心地だ。
車内では一流のアテンダントによる飲み物サービスやガイドサービス。飲み物もアルコール類から煎れたてのコーヒーやお茶など、上質な内容だ。
設備には仕切りの付いたクローゼット、広い化粧室、映画やTVを楽しめるモニターなど(会社により異なる)、移動中も楽しめるホテル並みの内容だ。眠っていたければ大きくリクライニングするシートを倒して、ブランケットに包まれるのも心地いい。

ベースのバスはいずれもメーカーのフラッグシップで、エンジン音や走行ノイズが車内に届かない内装が施され、また揺れや振動の少ないエアサスで滑るように走る。
ここで紹介するバスはツアーバスというカテゴリーなので、通常はパッケージツアーなどで活躍する。ただし、こんなステキなバスが運用されるようなツアーともなれば、宿も食事もすべてが高品質。
現在、これらハイグレードなバスツアーは大人気で、予約を取るのは難しいといわれるが、早めに押さえれば充分に可能だ。
シニア層に人気となってはいるが、たまには奥さんへのサービスや両親へのプレゼントなど親孝行に活用してみてはいかがだろうか。新しい旅のチャンネルとしてバス旅行の快適さと楽しさが再認識できるはずだ。
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