走りは素晴らしいのひと言! シビックタイプRは6速MTの「わんこそば」だった!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

■軽い感じのタイプRも見たかった……

シビックタイプRは6速MT専用車で、自動で回転を合わせるレブマッチング機能が付く。サスペンションは前デュアルアクシスストラット、後マルチリンクとなる
シビックタイプRは6速MT専用車で、自動で回転を合わせるレブマッチング機能が付く。サスペンションは前デュアルアクシスストラット、後マルチリンクとなる

 走りに関しては満点のシビックタイプRだが、気になるところもなくはない。

 冒頭で述べた大型リアスポイラーの存在がまずひとつ。これがあることで、せっかくの大人っぽいデザインが「いつものタイプR」に戻ってしまうのだ。

 もちろん、超高速域で安定性を出すためなど意味があってのことだろうが、それならポルシェのように低速では収納されている可変式にしてほしかった。大型スポイラーがなければ落ち着いたデザインなのに、付いた途端に北関東風になってしまう。

 また、クルマに「こういうのが好きなんだろう?」と言われているようにも感じてしまう。「鯛は尾頭付きがいいんだろう?」と上から目線で言われているようなものである。

従来までのシビックタイプRの集大成となっているのが新型シビックタイプRだとテリーさんは指摘している
従来までのシビックタイプRの集大成となっているのが新型シビックタイプRだとテリーさんは指摘している

 結局、従来路線の集大成になっているのだ。それはつまり、新しいユーザー層を呼べないということだ。おそらく、欧州のスポーツカーに乗っている人は今回もタイプRを選ばないだろう。

 もっと軽い感じのタイプRがあってもよかったのではないだろうか。そもそも初代〜2代目のシビックタイプRはベース車を少しスポーティにしたくらいで、そんなに大げさなデザインではなかったし、その普通っぽさがウケた面もあったはず。それがいつの間にか、高級な和食器に載る尾頭付きの鯛に変わっていって、今もそれが続いている。

 とはいえ、純エンジンのこういうスポーツカーがもうなくなるのは確か。そう考えると集大成を目指した気持ちもわかるし、これまで長年タイプRを愛してくれてきたユーザーを最後に裏切るわけにはいかなかったという事情もわかる。

 何しろ走りが最高に楽しく気持ちよかったのだから、それでよし。ホンダタイプRは大団円を迎えたということだろう。

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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