一度慣れたら病みつきになる…「賢く使いこなす」が大事なACCの「使いどころ」

高速道路、流れのいい国道、長い下り坂でもACCは活用すべし

 そんなACCを積極的に活用したいシーンとして、真っ先に考えられるのは、やはり高速道路でしょう。高速道路を周囲のクルマの流れに合わせて運転するようなシーンでは、ACCは常時ONでの走行が適しています。また、ノロノロ運転が続くような渋滞時の高速道路では、車速ゼロまで追従するACCが便利。アクセル・ブレーキの頻繁な操作から解放されて、足が疲れにくくなります。このほか、道幅の広い国道のような一般道路でも、ACCは活用したいところです。

 また、長い下り坂がつづく道路も、ACCが役立ちます。ACCは設定した車速を維持してくれますので、アクセルペダルを離していても加速していってしまう下り坂でも、自動で車速調整をしてくれるので、運転に余裕が持てます。筆者はよく、神奈川県の箱根湯本から箱根峠を結ぶ箱根新道を利用しますが、下りを走行する際はACCを積極的に活用します。

 下り勾配がきつすぎる箇所では、ACCによる減速が間に合わない(加速が上回ってしまう)場合もありますので、そのあたりはクルマの特徴と坂の状況を確認しながら、見極める必要がありますが、ACCを活用することで、車速に気を遣うことが減るため、運転がぐっと楽になるのです。

長い下り坂でも、一定速を維持してくれるACCをセットすることで、車速に気を遣うことなく運転ができる(PHOTO:Adobe Stock_ kaedesyrup)
長い下り坂でも、一定速を維持してくれるACCをセットすることで、車速に気を遣うことなく運転ができる(PHOTO:Adobe Stock_ kaedesyrup)

豪雨や霧・雪などの視界が悪い場合には使用NG

 以前は、ACCについて自動車メーカーは、「ACCは高速道路上でのみご使用ください」や「夜間や雨天、霧などの場所ではご使用をおやめください」としていましたが、ここ数年で、カメラやセンサーの性能向上や制御ロジックが飛躍的に進化したことで、対応可能なシチュエーションが増え、そうした注意書きを見ることも少なくなってきました。

 ただそれでも、一般道で使用する際にはドライバーが慎重に監視することが必要。クルマや障害物を検知する車載センサーが進歩してきたとはいえ、人間の細かな動きや、歩行者や自転車、オートバイ、キックスケーターなどの見えないところからの飛び出しには、ACCはまだ対応できないためです。

 このほか、高速道路の料金所付近や合流・流出エリア、カーブのきつい首都高、また、豪雨や霧・雪などの視界が悪い場合には、ACCは使わないほうがよいでしょう。センサーが正常に動かない可能性のある環境では危険となりうるためです。レクサスやスバル(アイサイトX)のような一部のメーカー車種によっては、料金所前自動減速機能がありますが、そうした車種であっても、機能を過信することなく、ドライバーが慎重に監視する必要はあります。

スバルのアイサイトX。ツーリングアシストの運転支援機能をオフにすることなく、料金所手前で、ETCゲートを安全に通過できる速度まで減速、通過後はセット車速まで再加速する機能を有している
スバルのアイサイトX。ツーリングアシストの運転支援機能をオフにすることなく、料金所手前で、ETCゲートを安全に通過できる速度まで減速、通過後はセット車速まで再加速する機能を有している

「賢く使いこなす」ことが重要

 昨今は、ワンタッチで自動レーンチェンジと自動加減速をしてくれる、高度な先進運転支援テクノロジーも登場してきました。ただくれぐれも制御を過信してはなりません。ACCはドライバーの運転をサポートしてくれるだけの機能であることを忘れることなく、便利な機能を賢く使いこなしましょう。

【画像ギャラリー】スバルの高度運転支援技術、アイサイトX搭載するモデルたち(21枚)画像ギャラリー

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