皆さんはデートカーをご存知だろうか? S13シルビアや3代目プレリュードなどバブル時代に隆盛を極めた2ドアクーペで、2人だけがカッコよく、快適に乗れるクルマだ。今回は大切な人を乗せる助手席の乗り心地が良いクルマを特別にお教えしよう。
文/佐々木 亘、写真:TOYOTA
■広さと安定感のバランスが助手席には必要
「快適なクルマは何?」と問われたら、最近では多くの人がミニバンを上げてくる。
確かに広い車内をいっぱいに使い、後席で手足を伸ばせるのは楽。
しかし、重心が高くロールが大きいミニバンは、乗り心地という面では今一つだ。
助手席の乗り心地を考える際に必要なのは、広さと安定感の絶妙なバランスである。
ダッシュボードやセンターコンソールに囲まれた助手席では、後席キャプテンシートのような広さを出し切れない。
制限された空間の中で、不自由ではない広さを確保し、走行中に無駄な力(支える・踏ん張る)を入れなくていいよう、体を十分に預けられるシート環境が必要となる。
ヒップポイントの高さも、助手席の快適性を語るのには欠かせない。
これらの条件を踏まえつつ、疲れにくく、長くシートに座っていられるクルマを選び抜いていく。
■アルヴェルよりも快適だったのは意外なあのクルマ
快適でおなじみのアルファード・ヴェルファイアは、助手席に目を向けると、少々物足りなさを感じてしまう。
シートのホールド性は悪くないが、着座位置が高くて乗り降りがしにくい。さらに、足を前ではなく下におろす形になり窮屈だ。
やはり、アルヴェルに乗るなら、セカンドシートが良い。
BOX型ミニバンの助手席は、どれも似たり寄ったりである。ただ、シエンタの助手席が車格の割に広く感じ、シートの硬さと高さが絶妙で良いのには驚いた。
こうしたミニバン群の助手席よりも、遥かに快適性が高いのがカローラスポーツである。トヨタのデートカーは、これで決まりかもしれない。
スポーツとはいえ、適度に高さを保ったヒップポイントが乗り降りのしやすさを生み出す。
座席前方のスペースは十分で、足を余裕で伸ばせるのもいい。
座面が長く、シートのホールド性も高いため、すっぽりと体が収まって、シートに体を預けられるのだ。
プリウスやGR86ではヒップポイントが低すぎるし、カローラツーリングではシートのホールド性が心もとない。
助手席重視のクルマ選びなら、カローラスポーツが頭2つ抜け出しているだろう。
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