■イセッタがEVとして復活!
そもそもなんでイセッタはこんな形になったのか。その理由は、イセッタの原型が「貨物用グライダーだったから」という説が濃厚だ。イセッタの設計者であるエルメネジルド・プレティは元航空技術者で、「大きな荷物を入れるには開口面積がでかく取れる車体前部を開くのがいい」と考えたのだ。
確かにイセッタを上から見ると、後ろが絞り込まれた美しい紡錘形をしている。空気抵抗を小さくするという航空機のセオリーが、イセッタには生きているのだ。
結局、イセッタは300cc版や600cc版(普通の4輪車に近いビッグイセッタ)も作られ、焼け跡から立ち上がろうとする庶民の足として大活躍した。その生産台数は累計16万台ともいわれ、高級車ブランドをして復活を遂げるBMWにとっても重要な役割を果たしたのだ。
実はそのイセッタだが、2018年にEVとして復活している。キックボードで知られるスイス企業「マイクロ・モビリティ・システムズ」が作る「マイクロリーノ」がそれだ。
電気モーター駆動となったが、あの愛らしいルックスはそのまま。もちろんドアは前開きだ。
交通弱者や過疎地の足として、超小型モビリティが熱い視線を集めているいま、マイクロリーノが現代版イセッタとして、駆け回る日が来るかもしれない。
【画像ギャラリー】ボディの前がガバッと開いたイセッタの姿はこちら!(22枚)画像ギャラリー
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