あなたはカローラ ルミオンを覚えているだろうか。一回り小さなbBとともに、ボクシーなスタイルが人気だったトールワゴンだ。日本では1代限りの運命だったが、実は海外で2代目モデルが大人気なのだ!
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ
■北米向けハイトワゴンをカローラファミリーとしてアレンジ
カローラ ルミオンが誕生したのは2007年10月のことだが、その誕生の経緯はちとややこしい。
もともとトヨタにはbBという全長4m級のトールワゴンがあり、これをアメリカの若者向けに「サイオンxB」という名前で輸出していた。
このxBが2007年にフルモデルチェンジをするのだが、「北米ではやや小さすぎる」という声を受けて、2代目xBは全長で300mm、全幅で70mm程度サイズアップを果たした。
この2代目xBに目を付けたのが、カローラ開発陣だ。カローラはトヨタを代表するロングセラーだが、いっぽうでユーザー層が年々高齢化する点が課題ともなっていた。
そこで開発陣は、若者向けのサイオンxBをカローラファミリーに加えて、若いユーザーの取り込みを図ったのだ。こうして誕生したのが「カローラ ルミオン」である。
■サイオンブランドの終了に伴い生産を終えることに
改めてカローラ ルミオンのなりたちだが、ボクシーなシルエットと3ナンバーのワイド感を組み合わせ、若いユーザーの共感を狙ったコンパクトハイトワゴンだ。
インパネ回りも個性的で、スポーツカーのような円形アナログメーターを4つ重ねてダッシュボード中央に配置しつつ、インパネシフトを採用して足元の広さも実現していた。エンジンは1.5Lと1.8Lの2本立てで1.8Lには4WDもラインナップ、トランスミッションは全車CVTだった。
さまざまな工夫が功を奏し、実際にカローラ ルミオンは若年層ユーザーを獲得することに成功した。その結果2007年から2015年まで8年も作り続けられたのだが、ここで問題が起きた。
なんとベースモデルであるXbのほうが、サイオンブランド終了にともない販売を終了することになったのだ。結果的にカローラルミオンはモデルチェンジのチャンスを失い、たった1世代でモデルライフを終えることになってしまった。
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