ガラスの曇りが取れん!! そんなアナタ! 「デフロスター」の使い方を間違ってませんか?

ガラスの曇りが取れん!! そんなアナタ! 「デフロスター」の使い方を間違ってませんか?

 温暖化の影響か、とにかく寒暖差が激しい日が多い昨今、冬場や梅雨の時期以外でも、フロントガラスが真っ白に曇ってしまうことが多い。そして、怖い思いをしたということはドライバーであれば一度は経験があるはず。窓ガラスの曇りを除去する機能を上手に使って、スッキリとした視界を得るには……?

文/井澤利昭、写真/写真AC

■そもそもクルマのガラスはなぜ曇ってしまうのか?

ガラスの曇りが取れん!! そんなアナタ! デフロスターの使い方を間違ってませんか?
ガラスの表面が汚れていると結露はより発生しやすくなる。結露によってフロントガラスが曇ってきたからといって、汚れた布やウエスを使って慌てて拭き取ると、一時的にはキレイになるものの、その後、曇りがさらに悪化してしまう可能性も

 走行中の視界を遮るフロントガラスやリアガラスの曇りは非常に危険なもの。気温や湿度などの条件が揃えば、ガラスの曇りはあっという間に広がっていくため、安全のためにも適切な対処が必要だ。

 ではそもそも、なぜクルマのガラスが曇ってしまうのだろうか?

 その理由は、空気中に含まれている水分(=水蒸気)が、ガラスの表面で水滴へと変化する「結露」が発生しているからにほかならない。

 結露の発生は、クルマのガラスにかぎった話ではなく、冬場の住宅の窓ガラスや、冷たい飲み物が入ったコップやペットボトルなどでもよく見られる、ごく一般的な現象。

 空気はそのなかに一定量の水蒸気を溜めることができるが、その限界値である「飽和水蒸気量」を超えると、水蒸気が水である水滴へと変化する。

「飽和水蒸気量」は気温が上がれば高く、反対に下がればその限界値も低くなるため、湿気の多い車内の場合、低い外気温によって冷やされた窓ガラスの内側に湿った空気が触れることで、水蒸気が水滴化し結露となるわけだ。

 そのため、車内と車外との温度差が大きい冬の季節や、湿度が高くなる梅雨の時期に大勢の人が乗った場合などに、クルマの窓ガラスが結露する現象は起こりやすい。

 一度結露が始まると、車内の温度や湿度の状態が変わらないかぎり、窓ガラスを拭いてもすぐに曇ってしまう。そんな時に強い味方となってくれるのが、クルマに備わる“曇りを除去する”機能だ。

■ガラスの曇りを除去する「デフロスター」と「デフォッガー」

 クルマの窓ガラスの曇りを除去するためには、まず車内の湿度を下げることと外気との温度差を小さくすることが重要。一番簡単な対処法は窓を開けることだが、寒い季節や大雨が降っているような状況ではあまり現実的ではない。

 また、夏場の雨の日であれば、エアコンの冷房機能をフルに使うことで車内の湿度を下げることもできるが、即応性がなくて冬の暖房では効果がないのが難点。そこで活躍するのが「デフロスター」や「デフォッガー」だ。

「デフロスター」や「デフォッガー」は、日本語では「霜取り装置」のことで、文字どおりガラスの曇りを除去するための機能。

 エアコンの操作パネルにある、温泉マークのような波線が入った扇型の記号が描かれたスイッチが「デフロスター」、同じく四角に温泉マークのような波線が入った記号が描かれているのが「デフォッガー」のスイッチだ。

「ガラスの曇りを取る」という機能はどちらも同じだが、「デフロスター」がフロントガラス、「デフォッガー」がリアガラスにそれぞれ対応しており、車種によってはスイッチに「FRONT」「REAR」の文字が入っている場合もある。

 その操作の方法はいたって簡単で、前後のガラスが曇ってきたと感じたらスイッチをオン。しばらく待っていれば、ガラスの曇りがきれいに消えてクリアな視界が蘇る。

 ちなみに「ガラスの曇りを取る」という機能自体は同じではあるものの「デフロスター」と「デフォッガー」では、その方法が異なるのが面白いところ。

 フロント側の「デフロスター」では、乾燥した暖かい風をフロントガラスに吹き付けることで結露した水滴を蒸発させて曇りを除去するのに対し、「デフォッガー」ではリアガラスに張り巡らされている電熱線に電気を通し、ガラスを暖めることで曇りを取り除いている。

次ページは : ■なかなか曇りが取れないことも!? 「デフロスター」の効果的な使い方

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