日産 180SXの魅力 ワンエイティは今こそ再評価すべき!? 【偉大な生産終了車】

■1998年シルビアとの統合により消滅 しかしその魅力と支持はいまも不変

 兄弟車であるS13型シルビアが1993年10月にS14型へフルモデルチェンジされた後も、180SXはそのままの形で販売が続けられました。

 いや、むしろシルビアがモデルチェンジされたことにより、「そのまま」だった180SXの人気はさらに高まったと言えるでしょう。

 その理由は、S14型シルビアが「3ナンバーサイズ」へと大型化されると同時に、キャラクター的にも「ありがちな普通のクーペ」に変わってしまったからです。

 そういったシルビアの改変を好まなかった当時の若年層が、「ならば180SXのほうがぜんぜんイイじゃん!」とばかりに、5ナンバーサイズであり、FRレイアウトであり、チューニングに適したパワフルなターボエンジンであり、なおかつ比較的安価でもある――という180SXの魅力に気づいたわけです。

 しかし1990年代前半の若年層は確かにまだそういったタイプの車に興味を持っていましたが、1990年代半ば頃から世の中のムードは一変しました。

S14型が3ナンバーサイズとなり、そのデザインとともに不評となったこともあり、180SXはS13型と共にホンダ プレリュードやマツダのRX-7、トヨタのセリカといった名車たちを相手に長く好まれ続けた

「スポーティなクーペやハッチバック」を好む層ももちろん一定数はいましたが、大半の人の興味はミニバンやSUV、当時の言葉で言うRV(レクレーショナルヴィークル)に移っていったのです。

 そのため、同時期に販売されていた不人気車であるS14型日産シルビアとともに、180SXの販売台数も徐々に低迷していきました。

「平成12年度排ガス規制」という理由もあるにはありますが、結局は市場の縮小と採算性の悪化により、日産180SXというなかなかの名作は「1代限り」で終わってしまったのです。

 とはいえ「気持ちよく操縦できる小ぶりなFRスポーツ」という車が備えている価値は、ある意味永遠です。

 それゆえ日産180SXの中古車は今なお一部の層には確実に刺さり続けており、180SXを使ってチューニングやドリフト走行などを楽しむ人の存在は、今後も決して「絶滅」することはないでしょう。

■日産 180SX 主要諸元
・全長×全幅×全高:4520mm×1695mm×1290mm
・ホイールベース:2475mm
・車重:1220kg
・エンジン:直列4気筒DOHCターボ、1998cc
・最高出力:205ps/6000rpm
・最大トルク:28.0kgm/4000rpm
・燃費:11.0km/L(10・15モード)
・価格:249万8000円(1996年式タイプX)

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