■三菱 4代目ランサーエボリューション(1996年)…約1万3200台
●三菱ランエボIVの魅力
国際ラリーでの活躍によってスポーティセダンとしてのイメージを確立したのが三菱のランサーだ。
1990年代になるとメカニズムを大きく進化させ、走りの実力を大幅に高めている。2Lの4気筒DOHCターボに4WDシステムを組み合わせ、究極のスポーツセダンに仕立てたのがランサーエボリューションだ。
WRCで勝つために開発されたランエボの第一弾は1992年に登場。エンジンはギャランVR-4から譲り受けた2Lの4G63型DOHCターボを積み、特別限定車のかたちで販売を行なっている。その後、毎年のように性能を高めた進化版を送り出し熱狂的なファンを得た。
ランサーは1995年にモデルチェンジし、これをベースに1996年8月に限定発売されたのがエボリューションIVだ。DOHCターボは280psにパワーアップされ、アクティブヨーコントロールなどの採用によって意のままの走りを実現した。
持ち前の高性能に加え、WRCでの好成績が販売を押し上げている。その証拠に6000台を追加生産するなど、大ヒット作となった。
●全世代に見る 4代目ランエボの売れっぷり
限定販売モデルながら初の280ps到達モデルであり、最後の5ナンバーサイズモデルでもあったため、人気が高い。ちなみに通常のカタログモデルとなったエボXは、2007年4月登場で2012年12月までの販売が9500台。
●三菱 4代目ランサーエボリューションの諸元(GSR)
・全長4330×全幅1690×全高1415mm
・ホイールベース:2510mm
・車重:1350kg
・エンジン:直4DOHCターボ
・総排気量:1997cc
・最高出力:280ps
・最大トルク:36.0kgm
・価格:299万8000円
●ちなみに…1996年はどんな年だった?
VICSのサービスが首都圏で開始。衝突安全性への関心の高まりから実験データをこの年から公開。メジャーリーグで野茂英雄投手がノーヒットノーラン達成。
■日産 4代目フェアレディZ(1989年~2000年)…6万5537台
●日産 4代目フェアレディZの魅力
スポーツカーの歴史を変えた革命児がフェアレディZである。初代のS30系はモータースポーツで大暴れし、世界中から熱狂的なファンを獲得した。
が、これを凌ぐ大ヒットを飛ばしたのが1989年7月に登場した4代目のZ32型だ。同じ時期にベールを脱いだR32型スカイラインGT-Rとともに、日産の走りのシンボルになっている。
日産は1990年にシャシー性能と走りの実力ナンバー1を目指し、「901活動」を推進した。
この思想哲学から生まれたのがZ32だ。ヨーロッパの一流スポーツカーを凌駕することを目標に開発され、最先端のメカニズムで武装した。エンジンは3LのV型6気筒DOHCで、NAとパワフルなツインターボを用意。
Z32型は世界トップレベルの動力性能を誇り、ハンドリングとフットワークも一級の実力だった。走りがいいだけでなくエクステリアもスタイリッシュだ。
アスリート系の引き締まったボディはギャルまでも魅了し、当時はモテグルマの筆頭にあげられていたほどだ。だから今でも人気が高いのだ。
●全世代に見る4代目フェアレディZの売れっぷり
バブル景気も味わったモデルライフの長さも手伝い、Z32型が累計販売台数トップ。2位は初代S30型で6万2543台だ。2008年12月デビューの現行は2012年12月までで9334台とイマイチ振るわない。次期型に期待か?
●日産 4代目フェアレディZの諸元(TT・2シーター)
・全長4310×全幅1790×全高1250mm
・ホイールベース:2450mm
・車重:1520kg
・エンジン:V6DOHC・TT
・総排気量:2960cc
・最高出力:280ps
・最大トルク39.6kgm
・価格:410万円
●ちなみに…1989年はどんな年だった?
世界的なビッグニュースとしては東西ドイツの統合、いわゆるベルリンの壁が崩壊。クルマ界では運転免許保有者が6000万人、交通事故死が1万1000件を突破。
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