JAFの発表によると、2018年に一般道での救助依頼で最も多かったのがバッテリー上がりだったという。その数、約71万件(救出依頼全体の約33%)。
日本の自動車保有台数が8200万台なので(2019年4月)、「起こる確率」としては1%未満ということになるが、すくなくとも「バッテリー上げたるでー!」と考えながらクルマを運転している奇特な方はかなり少数派のはずなので、これは決して対岸の火事ではなく、自分にもいつでも起こりうることだと考えたほうがよい。
猛暑はバッテリーにとっても辛い季節。炎天下、ひょっとすると日影もないところでJAFを待つのはあまりに辛い。自動車専門メディアのベテラン編集者と新人が真夏のバッテリー上がりとその対策について語り明かしました。
※本稿は2019年6月のものです
文:ベストカー編集部/写真:AdobeStock、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年7月26日号
■バッテリーの寿命は一般的に2~3年
ベテラン編集者A(以下A) オイB、お前がこの前買った中古車、何年落ち?
先日中古で輸入車を購入した若手編集者B(以下B) 2014年式ですから、5年落ちです。問題なく走ってますけど。
A 5年か~。じゃあそろそろだな。
B エッ、先輩なんですかそれ? そろそろって?
A バッテリーだよ、バッテリー。
B バッテリー? 僕のクルマに付いているバッテリーはノーメンテだって買った中古屋さんの人が言ってましたけど。
A ノーメンテナンスバッテリーは、日頃の液量のチェックなどしなくていいってもので、ずっと寿命が保証されてるもんじゃないんだよ!
B じゃあ、この夏乗り切れないってこともあるんすか?
A あるね。
B エッ それヤバくないすか。
A 最近のバッテリーは、アイドリングストップもできるように昔よりタフにできているけど、来る時は来るんだよ。しかも突然に。
■クルマのバッテリーはスマホと同じ!
B どうすればいいんすか?
A まずだな、バッテリーって充電と放電を繰り返しているんだよ。放電だけがずっと続けばバッテリーって上がっちゃうワケだよ。わかるよな。
B スマホとおなじってことですか。
A その通り、朝から晩までお前みたいにスマホいじってるとバッテリーがどんどん減っていくだろ。しかも古くなったスマホってバッテリーも弱っているので減りも早い。経験あるだろ、それとおんなじ。だから考えて電気を使うんだよ。
B なるほど。
A クルマってさ、電気を使うものいろいろ付いてるだろ。そいつらがどんだけ電気を使うかを知っておくんだよ。
B フムフム、たとえば?
A クルマの中で一番電気を使うのはエンジンを始動させる時。スターターを回してエンジンかけるだろ。そん時だよ。瞬間最大300A以上の電気を使うんだよ。
B あんぺあ……?
A めんどくせえやつだな。ワットで説明してやるよ。300Aってクルマの電圧12Vで計算するとだいたい3600W。100Wの電球36個分ね、36個分。
まあ、これが一番電気を食う「悪者」なんだけど、その次あたりに電気を使うやつはエアコンかな~。エアコンの場合、ガンガン効かせた状態だと210Wくらい。弱でかけると95Wくらい。それでも100Wの電球1個分くらいなんだから、侮れないだろ。
それにクルマってアイドリング状態でも電気は消費しているって知ってるか。だいたい160~190Wくらいは何にもしてなくても使っているんだよ。
B こうして話を聞くと、クルマって電気食い虫みたいですね。
A そう。そこをまず理解していることが大切なんだ。
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