■これぞ新時代のスペシャルティカーか!?
用意されたパワートレーンは最高出力156ps/最大トルク19.3kgmの直4、2L SOHC VTECのR20A型、最高出力206ps/最大トルク23.7kgmの直4、2.4L DOHC VTECのK24A型の2種類を設定。足回りは前後ダブルウィッシュボーン式を採用。
専用の片側スポット溶接設備や工程が導入されており、ルーフとピラーの結合効率を向上させているのが特徴。低重心化のほか、フロントピラーに高張力鋼板を多く採用してスリム化することで視界のよさを確保している。
実際に2.4L車の上級グレードとなるタイプSの広報車に乗ったことがあったのだが、これがまあ何とも素晴らしい出来だった。まずはインテリアの質感。シートの出来からインパネダッシュの素材、ドアパネルの仕上がりなどアキュラの名に恥じない質感の高さだった。
それと印象的だったのは2.4L NAエンジン、i-VTECの吹け上がりのよさと前後ダブルウィッシュボーン式サスの織り成すしなやかな乗り心地。スタイリッシュなエクステリアデザインと合わせて新時代のスペシャルティカーとすら錯覚したほどだった。
■歴代最高のクォリティだった?
当時のホンダからは従来までのプレリュードやインテグラなどのスポーツ&スペシャルティが続々とラインナップから消えていただけに、アコードツアラーがその系譜となると密かに思っていた。
しかし、2013年3月には日本国内での販売を終了。日本での9代目アコードはセダンのみのラインナップとなったのだが、私が当時この9代目アコードの試乗会に行った際には当時の社長、伊東孝紳氏が試乗会場のメディアテーブルにいきなりサプライズ登場してきたことをよく覚えている。
で、その場にいる9代目アコードを担当した開発者に、内装の質感が8代目アコード&アコードツアラーに及んでいないことを伝えると、「それはですね、先代型はアキュラとして販売されていたモデルなのでかかっているコストが違いますから……」と苦笑いしていた。
個人的に歴代でも飛び抜けていたクォリティだと思えるアコードツアラーはやはり、白眉だったと思う。
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