アメリカでは自国生産のEV車だけがEV補助金の対象となっている。日本は2024年4月1日からインフラや整備体制など、メーカー側の努力が基準に加えられ、中国BYD、韓国ヒョンデをはじめ、輸入車メーカーのEVが大幅に減額された。そろそろEV補助金は、国内自動車メーカーのみを対象としてもいいのではないだろうか。
文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカーWeb編集部
■アメリカのEV補助金はバッテリー、EVを国内で生産したクルマが対象
米国エネルギー省が2023年12月30日に発表したインフレ削減法(IRA)に基づいてクリーンビークルの購入者が受けられるEV補助金の対象が大幅変更され、実質的に北米製のEVだけが補助金対象となった。
具体的には10モデルが最大7500ドル、9モデルが3750ドルの税額控除の対象となり、2023年末時点での43の対象車両からたった19モデル大幅に削減された。
アメリカのEV補助金は新車が7500ドル、中古車が4000ドル。これ以外にも条件があり、年収15万ドル以上の富裕層や、SUV&ピックアップトラックは8万ドル以上、セダン&ハッチバックが5万5000ドル以上の高額車が補助金対象外となった。
補助金対象車となる主な条件としては、北米(カナダ、メキシコ含む)で生産されたEVであること、バッテリーは部品と原材料の50%を北米製で、中国を含む特定国の原材料を使用している場合は補助金対象外となった。
つまり、北米でのEV補助金の適用を受けるには、中国車を排除して、国内(北米)のEV、バッテリー生産工場、サプライチェーンを保護する意図がある。唯一、ホンダとGMが共同開発したプロローグとZDXで補助金対象となっている。また中古車のEVにも4000ドルを支給することから、中古EVが国外に流出することも防いでいる。
最近、メディアを騒がせている、「EC失速、ハイブリッド復権」というのは、ほんとのところはどうなのだろうか? アメリカで国内の販売台数を見ると、ハイブリッドが約124万台(対前年比65%増)に対し、EVは約107万台(対前年比51%増)と、販売台数、対前年比を比較すると、ハイブリッドが復権しているのがわかる。
テスラは2024年1月~3月までの3か月間の世界での新車販売台数が対前年比8.5%減少したと発表。前の年の同じ時期を下回るのはおよそ4年ぶりで、EV需要の伸びが鈍っていることを如実に示す結果となった。フォードもハイブリッド車の生産を増やし、新型SUVのEVの生産を2年程度遅れらせることを発表。
2030年までに新車販売の50%をEVにする目標を掲げ、多額の補助金でEV普及を後押しするバイデン政権。いっぽう、EVに懐疑的なトランプ氏が2024年11月に行われる大統領選挙に勝利すれば、EVシフトに影響がおよぶことは必至だ。
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