■動物系のあだ名2選
■「てんとう虫」 スバル360
1958年から1970年まで生産され、40万台近い販売台数を記録したのがスバルの軽自動車、360。世界的大衆車のVWタイプ1(ビートル)に範をとったスタイルには、本家のビートル(カブト虫)に対して「てんとう虫」のあだ名がついた。
ちなみにビートルのほうも本来の正式名称ではなく、フォルムからついたビートルがやがて正式名称に格上げされたという経緯がある。
■「トポリーノ」 フィアット500
イタリアのフィアット 500といえばファニーな丸いボディフォルムが連想されるが、実は、これは2代目以降のイメージ。1936年に販売が開始された初代は、2代目とはかなり異なる姿をしていた。
そのあだ名が「トポリーノ(ハツカネズミ)」。もちろん、理由はその見た目から。スタイルの基本は時代を反映しているものの、どこかかわいらしいフォルムがハツカネズミと呼ばれたのは納得できる。
なお、イタリアではミッキーマウスのことも「トポリーノ」と呼んでいる。
■あだ名があるのは市販車だけじゃない! レースカーの変わったあだ名
レーシングカーにもあだ名がつけられることがあるが、「稲妻」や「駿馬」など、いかにも速そうなイメージを感じさせるあだ名が多い。
しかし、なかにはちょっと変わったあだ名もあり、しかもそのあだ名を持つクルマのレース成績がよかったりするから面白い。
最後はそんなレーシングカーのあだ名を紹介する。
■「空飛ぶレンガ」 ボルボ240ターボ
1985年の国際ツーリングカー耐久レースに投入され、富士スピードウェイで行われたインターTECで見事ワン・ツーフィニッシュを飾ったのがスウェーデンのボルボ 240ターボ。
このクルマは、セダンモデルとしてもかなり角ばったフォルムをしていて、地元欧州でも「Flying Brick」(空飛ぶレンガ)と呼ばれていた。
日本では「走る弁当箱」とも揶揄されたが、そんなあだ名をモノともしない快速ぶりでファンに強い印象を残している。
■「モビーディック」 ポルシェ935ターボ78
ポルシェが自社の911シリーズをベースに作り上げたレースカーが935シリーズ。935は世界各国のレースで優秀な成績をあげているが、1978年型は「モビーディック(白鯨)」というあだ名でも知られている。
ル・マン24時間レースが行われるサルテサーキットには長いストレートがあり、そこでの安定性とスピードを高めるために採用された超ロングテールの風貌が、小説「白鯨」に登場する白いマッコウクジラに似ていることからそう呼ばれるようになった。
■「ピンクピッグ」 ポルシェ917/20
ポルシェにはユニークなあだ名を持つモデルが多いが、こちらの「ピンクピッグ」はその際たるもの。1970年代初期の耐久レースに向けてポルシェが開発した917/20は、当時の空力思想に基づいた“ずんぐり型”のフォルムが特徴だった。
やがてそのフォルムから「雄豚ベルタ」と呼ばれるようになり、これに悪ノリしたポルシェは1971年のル・マン24時間レースに全身をピンクで塗り、さらに豚肉の部位を示す文字と破線を書き込んだカラーの917/20を出場させた。
このインパクトは凄まじく、すぐに「ポルシェ 917/20=ピンクピッグ」のニックネームが全世界に浸透した。
今回はユニークなあだ名を持つクルマを紹介したが、こういったクルマはほかにもたくさんある。
そうしたクルマたちはまたの機会に紹介したい。
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