クルマのフロントフェイスで最近話題になるのが「ファミリーフェイス」というキーワード。
ファミリーフェイスとは、兄弟の顔つきが似ているように、クルマも似たような顔つきにして統一感を持たせること。
日本でわかりやすいものといえば、レクサスのスピンドル(紡錘)グリルだろう。好き嫌いはあるものの、あれを見れば一発でレクサス車とわかる。つまりアイコンとしては大成功しているわけだ。
実はこのフロントフェイスの統一は1930年代の昔から行われていて、ロールスロイスのパルテノングリル、BMWのキドニーグリルなどなど、世界の自動車メーカーに見られたものだ。
なんでそんなことするのかといえば、それはブランドを確立したいから。
国内メーカーもここへきて商品を売るにはブランド力が必要ということに考えがシフトして、ファミリーフェイスを重要視するようになっているわけだ。
本企画では現在自動車メーカーの代表的なファミリーフェイスを紹介しているが、どれもメーカーの個性を際だたせるのに一役買っていることが見て取れる。
※本稿は2019年7月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年8月10日号
■BMW│キドニーグリル
●1935年│315ロードスター

●1956年│503クーペ

●1958年│502

●X7

キドニーとは英語で「腎臓」のこと。ふたつに並んだフロントグリルが腎臓のように見えるので、キドニーグリルと呼ばれている。1930年代から使われているBMW伝統の紋章だ。
■三菱│ダイナミックシールド
●デリカD:5

●eKクロス

エクリプスクロスのダイナミックシールドとはひと味違う新ダイナミックシールドがデリカD:5から採用されている。こちらは縦長のヘッドライトになっている。
■ジープ│セブンスロットグリル
●ラングラー

●チェロキー

●レネゲード

第2次世界大戦で活躍した「ウイルスジープ」をイメージした縦長の穴が7つ並ぶ「セブンスロットグリル」。これを見ただけでジープとすぐにわかるスグレモノ。
■トヨタ│キーンルック
●カムリ

キーンルックとは「鋭利なスタイル」ということ。中央のエンブレムを中心にX型デザインとなる。
●カローラアクシオ

こちらのカローラアクシオはカムリよりヘッドライトが厚め。少々重厚感をアピールか? 下部のインテークもかなり巨大。
●アクアクロスオーバー

初期のキーンルックなので、まだヘッドライトが独立したように見える。でも立派にX型してます。
●プリウス

評判のよくなかった歌舞伎顔を改め、少しシンプルになったプリウスのフロントフェイス。こちらのほうが万人向けだ。
●マークX

かなり鋭角になったマークXのキーンルック。メッキパーツでアクセントを入れているところも渋い。
●カローラスポーツ

マークXをさらに進化させたようなカローラスポーツのキーンルック。メッキパーツを多用し渋さ倍増!
■アルファロメオ│盾グリル
●1938年│6C

●1962年│2600スパイダー

●2010年│ジュリエッタ

アルファには1930年代から使われている伝統の盾グリルがある。この形を見るだけで、「あ、アルファね」とクルマ好きなら思うはず。
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