日本車には個性的で楽しいターボがいっぱいあったのよ! 国産車限定・歴代過給エンジン10選

■鈴木直也が選ぶ「歴代の過給エンジン」

1. 日産 セドリックターボ(L20ET)
2. マツダ ユーノス800(ミラーサイクルKJ-ZEM)
3. 三菱 スタリオンGSR-V(シリウスDASH3×2 G63B)
4. マツダ ユーノスコスモ(RE20B-REW)
5. 日産 R32GT-R(RB26DETT)
6. 日産 マーチスーパーターボ(MA09ERT)
7. 日産 R35GT-R(VR38DETT)
8. スバル レガシィ、またはインプレッサ(EJ20)
9. トヨタ アリスト(2JZ-GTE)
10. 三菱 ランサーエボリューションⅩ(4B11)

■速さを追求してきたターボ(片岡英明)

スバル インプレッサWRX STI…ランエボと切磋琢磨して日本のスポーティカー発展に貢献したインプレッサに拍手!
スバル インプレッサWRX STI…ランエボと切磋琢磨して日本のスポーティカー発展に貢献したインプレッサに拍手!

 ライバルと競い合っていくと凄いものになる。これはいろいろな分野にいえること。

 クルマの世界では、WRCやレースなど、モータースポーツの世界で競い合いながら成長してきたインプレッサWRX STIとランサーエボリューションがその代表である。

 この2台は、2Lという限られた排気量のなかで最強、最良のエンジンを目指した。そのためにターボの力を借りている。エンジン本体だけでなく、ターボユニットや制御系にもメスを入れ、コンマ1秒でも速く、楽しく走ることに力を注いだ。

 インプレッサのEJ20型ターボエンジンを1位に選んだのは高回転の切れ味が鋭く、音色も個性的だからである。レガシィのデビューと同時に登場し、四半世紀にわたって第一線で活躍しているのは凄い。拍手喝采だ。

 3位としたランエボの4G63型エンジンは、違う意味で名機といえるだろう。

 何の変哲もないエンジンだが、エンジニアのたゆまぬ努力と執念で一級の実力を備えたエンジンへと成長を遂げている。電子制御パーツにも目を見張るものがあった。

 2位にしたのは、これまた官能的なパワーフィールで乗り手をシビレさせたRB26DETT型DOHCツインターボだ。直列6気筒ならではの上質な吹き上がりで、高回転域での音色もいい。

 日産 R34スカイラインGT-R…日本車の歴代ターボで最も評価されたRB26DETT。官能的なフィールにしびれた
日産 R34スカイラインGT-R…日本車の歴代ターボで最も評価されたRB26DETT。官能的なフィールにしびれた

 日進月歩で技術革新が進む時代なのに、10年以上も王者の座にあった。これはエンジンの素性がよかっただけでなく、ターボの選択と味付けもすばらしかったからだ。

■軽から1.2Lクラスに魅惑のターボがズラリ並ぶ

 エキサイティングという点で画期的だったのは、4位のシティターボのER型4気筒SOHCだ。

 わずか1.2Lの排気量だったが、レーシングエンジンのような過給圧で、生意気に電子制御燃料噴射装置のPGM-FIも装着していた。驚いたことにF1のようにブーストアップスイッチも付いていたから、ドッカンと刺激的な加速も!

シティターボ(ホンダ)はインタークーラーターボで110psのパワーを発生した。奇抜なボディと相まって人気に
シティターボ(ホンダ)はインタークーラーターボで110psのパワーを発生した。奇抜なボディと相まって人気に

 同じ性格のベビーギャングがスターレットターボとアルトワークスだ。EP82型スターレットターボは1.3Lエンジンとは思えないほどパンチ力があり、楽しかった。

 上級クラスより高度なメカニズムを誇ったのが、6位のアルトワークス。

 SOHCターボが全盛の時代にDOHCインタークーラー付きターボを搭載し、ミラやミニカを圧倒。レスポンスは鋭いし、加速も強烈だ。気持ちよく回るエンジンに加え、フットワークも軽自動車レベルを超えていた。上限64ps規制の張本人だけに実力はけた外れだ。

 4代目というかスープラの最終モデルに用意された3Lの2JZ-GTE型DOHCツインターボも印象に残るターボである。メカニズム的には行き着くところまで行っていた感があるが、気持ちいいし、滑らかなパワーフィールが印象的だった。

 1989年にモデルチェンジして登場したミニカにはDOHC5バルブターボのダンガンZZ-4が設定されている。

 これもターボ王国を誇った三菱の意地を感じさせるターボ車だ。デザインはいまひとつ魅力に欠けた。が、ターボの実力は本物だ。

 シャレードの1L3気筒ターボは目立たないが、秀作だった。

 世界最小の1Lディーゼルターボもターボ史に残る傑作だと思う。そして時代に先駆けて可変ノズルのジェットターボを搭載したY30セドリック/グロリアも忘れることができない。

次ページは : ■片岡英明が選ぶ「歴代の過給エンジン」

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

日産に新スポーツカー!? 新型エルグランドはe-POWER搭載でもうすぐ登場か? ベストカー10月26日号発売中!

日産に新スポーツカー!? 新型エルグランドはe-POWER搭載でもうすぐ登場か? ベストカー10月26日号発売中!

 ベストカーWebをご覧の皆さま、ちわっす! 秋特集全開の前号が出たころはまだまだ暑かったのに、急に…