誰でも道具さえあればできてしまう洗車。しかし、その正しい手順を心得ている人はどれほどいるだろうか?
そこで今回は、そんな愛車をキレイにする洗車の正しいやり方を、プロがレベル別に指導する。独学ではわからない、正しい洗車を学び、愛車のために活用してほしい!
今回講師を務めてくれるのは、東京都品川区でクルマの洗車や磨き、コーティングといった作業を専門で行っているショップ『PUG WASHER(パグ・ウォッシャー)』の店長、森重修さんだ。

森重さんは某有名洗車ショップで長年経験を積んだベテラン。その真面目で穏やかな人柄は、愛車を安心して任せられる雰囲気にあふれている。
◎PUG WASHER…住所:東京都品川区平塚3-2-5/TEL:03-5751-7489
※本稿は2019年7月のものです
文:ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年8月26日号
■初級レベル│洗車の基本知識とシャンプー洗車のコツ
●RULE 01│シャンプー洗車はきめ細かい泡が命!
まず洗車をする前に重要な作業がある。それは洗車するのに使うシャンプーの泡立てだ。なぜかというと、きめ細かい泡を作ることで、スポンジなどでこすった際にボディに傷が入りにくくなるのだ。
泡立てのコツは、規定量のシャンプーをバケツに入れ、ホームセンターなどで売っているノズルガンを使うこと。ストレートか強めのシャワーといった強めの水流を使い、思いっきり撹拌すること、これできめ細かい泡を作ることができる。

使用する洗剤は、市販されているクルマ用のものであればなんでも大丈夫。注意が必要なのは、油汚れが取れるからとアルカリ性のマジックリンなど。塗装を痛めるのでNGだ。
また、泡切れなどの問題で中性だけど台所洗剤を使うこともお薦めしない。きめ細やかな泡ができたら、それをスポンジにたっぷり載せて洗車開始だ。

●RULE 02│シボディより先にホイールを洗うべし!
じゃあ、さっそくボディから! と洗いたくなるものだが、シャンプー洗車の手順としては、下回り(ホイール)からやっていく。
ホイールを洗う時は、ボディを洗うようなスポンジを使うのもいいが、複雑なデザインを採用しているクルマも多いので、ホイール洗い用の専用スポンジを使いたい。

専用設計なので狭い部分にもしっかり届き、作業効率もいい。
スポンジが薄めの円柱タイプの物もあるが、スイカバーのような形をしたタイプが泡持ちもよくお薦めだ。
●RULE 03│ボディ洗いの基本は上から下へ!
ホイールが終わったら、次はボディだ。
まずは高圧の水で、ボディに付着したほこりや砂といった汚れを吹き飛ばしておくことが重要になる。そうしないと、スポンジに大きな汚れがくっついてしまい、ボディをヤスリがけしているような状態になってしまう。
ノズルガンを使用して、高圧で吹き飛ばしたい。それが終わってから初めて泡を付けていく。

洗っていく順番は、上から下へが鉄則。
この鉄則は、拭き上げや室内清掃でも同じだ。ボディであれば、ルーフ→ウエストラインより上→ウエストラインより下→下回りの順番となる。

汚れがひどいと泡切れを起こしやすいので、傷を付きにくくするために頻繁に泡をスポンジに付け直したい。
泡が減ってきたら、再び撹拌してきめ細やかな泡を作ろう。

●RULE 04│拭き上げはより接触回数を少なく!
拭き上げる時には、大判のセームタオルを用意したい。セームタオルは吸水力が高く、絞った時の水切れもいいので作業効率が非常にいい。
大判のセームタオルを写真のように目一杯広げて、広範囲の水を一気に拭き取る。


そして細かい部分を拭く際は、マイクロファイバーのタオルで、毛先がループになっていない切りっぱなしの毛足の長いものを使う。滑りがよく、毛細管現象で細部の水も吸い出してくれる。
また拭き上げのタオルは、ウエストラインより上用、ウエストラインより下用、ホイール用、細部用の長毛マイクロファイバー、ドアの内側を拭く用などと、部位に分けて変えたい。
プロは1回の洗車で5~6枚使う。


コメント
コメントの使い方