ロータリースポーツ復活の兆しが見えてきた今、新型ロードスターのパワートレインは超絶気になるところ。電動化も見据える必要があるわけで、どんな選択をするのか。もしやロードスターもロータリーエンジンとなるのか!? 徹底予想してみた。
文:吉川賢一/写真:MAZDA
■次期型でも、ガソリンエンジン車のみとなるのでは
2021年から昨年まで発売されていた990Sが現行ND型の最終仕様ではないかといわれていたロードスター。ただ、2024年1月に再びマイナーチェンジが実施され、エクステリアのデザイン変更のほか、インフォテイメントディスプレイのサイズ変更、走行性能を引き上げるアシンメトリックLSDや新型電動パワーステアリングの採用、さらには、先進支援技術のアップデートなど、ND型史上、もっとも大きな改良が施された。
990Sを購入された人の中には、悔しく感じている人も少なくないだろうが、車重990kgという軽さによる走りの醍醐味は、990Sを買った人だけが味わえる特権なので、優越感に浸ってほしいと思う。
その2024年1月のマイチェンでは、1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンにも手を加えられており、最高出力を3kW向上したほか(国内ハイオクガソリンに合わせた専用セッティングを実施)、6速マニュアル車は、2.0リッターガソリンエンジンも含めた駆動力制御に最新のエンジン制御プログラムを導入、アクセル操作時のレスポンスを改善している。
さらにマニュアル車には、サーキット走行に最適化したダイナミック・スタビリティ・コントロールの新制御モード「DSC-TRACK」なども追加、最新モデルに相応しい豪華装備が備わった。
さて、そんなロードスターの次期型は、どのようなモデルとなるのか。もっとも気になるのはやはりパワートレインだ。マツダは2030年までに全車電動化とする戦略を公表しており、ロードスターももれなくハイブリッド化(マイルドも含む)や電動化が必須となる。ただ筆者は、ロードスターについては、2030年の直前まではハイブリッド化やモーター駆動化などはせず、既存の1.5Lガソリンエンジンの改良版を使っていくのではないかと考えている。
■将来的には水素燃焼やe-fuel燃焼のエンジンが搭載されると予想
その理由は、やはり重量増加が避けられないことだ。マツダは、24Vマイルドハイブリッドシステム(M HYBIRD)やロータリーエンジン発電によるPHEVなどの電動化技術を持っているが、エンジンユニットに付加物がつくほどに重量は増す。
重たくなった車体をハイグリップタイヤやハイテクデバイスを使って制御するような他メーカーのスポーツカーとは違い、ロードスターの軽快さは、クルマが軽いことで生み出されている。人馬一体感を狙うロードスターにとって軽量であることは最優先事項であり、既存の1.5Lガソリンエンジンがある限りは、使ってくるのではないだろうか。
その先で、マツダは、水素燃焼やe-fuel燃焼といったカーボンフリー燃料で動くエンジンを開発し、次期ロードスターへ搭載する計画をしているのではないか、と筆者は期待している。そうなれば、エンジンの駆動で直にタイヤを駆動させることができ、マニュアルミッションも継続させることもできるなど、ファンが期待するロードスターでありつづけることができる。
次期ロードスターについては、ジャパンモビリティショー2023でワールドプレミアされたアイコニックSPがそうではないか、という声もあるが、2基のロータリーエンジンを発電専用に使うPHEVのスポーツカーであるアイコニックSPはロードスターには成り得ず、未来のフラグシップスポーツとして開発されるモデルなのでは、と筆者は考えている。
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