「洗車してもどうせ雨が降るから」と、梅雨時には洗車をしないオーナーも多い。しかし、その認識は間違っているかもしれない。今回は、雨の日でも洗車を行うことのメリットについて考えていくことにしよう。
文:長谷川 敦/写真:写真AC、アイキャッチ画像/chokchaipoo@Adobe Stock
■雨で濡れちゃうから洗車はナシ、はホントに正しいのか?
世の中には「自分が洗車した直後にはいつも雨が降る」などといったジンクスを持っている人も少なくないはず。ホントに洗車直後は必ず雨降りなのかどうか統計をとった人はほとんどいないだろうが、洗車してすぐに降雨だと損をした気分になるのは事実だ。
こうした考えから、雨の日が多い梅雨の季節には洗車を見合わせている人も多い。
しかし、雨で汚れるからといって洗車をしないのは正解ではなく、たとえ雨が降るとわかっていても、洗車はやったほうがいい。
それにはいくつかの理由があり、次の項から詳しく紹介したい。
■梅雨時でも洗車することの3つメリット
■不純物の固着を防ぐ
天から降ってくる雨はただの水ではなく、さまざまな物質を含んでいるのはご存じだろうか?
その不純物とは、微細なホコリや大気中の二酸化炭素と有害物質、そしてミネラル分などだ。これらの不純物は雨と一緒になってクルマのボディに付着するが、そのすべてが流れ落ちてしまうわけではない。
加えて梅雨時は気温が高く、雨がやむとボディ表面に付着した雨粒はすぐに乾いてしまう。そうしてボディの表面には不純物が残り、これが繰り返されると不純物が固着する。
だから、雨がやんだら早めに洗車を行い、不純物が固着しないようにするのが理想的だ。
■ボディ表面をキズから守る
普通に走っているだけでも、クルマのボディには砂や砂鉄などが付着する。そして雨が降るとこれらが塊になり、大きな粒となって表面を傷付ける可能性がある。こうしたトラブルを防ぐのに一番の方法はこまめな洗車になる。
だから梅雨時であろうとなかろうと、定期的に洗車を行うのがボディをいい状態に保つコツだといえる。
■ワックスの効果維持にも洗車は必要
表面をワックス処理している場合、降雨による濡れとその後の乾燥を繰り返すと、不純物が付着して洗車の際にワックスまで洗い流してしまう。
もちろん、ワックスがけは定期的に行うのが理想だが、雨が続いているからといって洗車をサボると、ワックス効果が早めになくなり、結局塗り直しのサイクルが短くなる。
■だからといって雨中の洗車はNG!?
では、梅雨時にも洗車を行うとして、雨が降っている際中であっても洗車はしたほうがいいのか? この答えは難しく、イエスでありノーであるともいえる。イエスなのは、洗車時間が短くなるという理由から。
洗車の前にはクルマ全体を水で濡らすが、雨が降っているならその手間は少なく、軽くシャワーを当ててからそのまま洗剤を使った洗車に移れる。これは洗車した後に洗剤を流す際も同様で、比較的短時間で洗剤を落とせる。
そして拭き取りも最低限でよい。なぜなら、いくらきれいに水分を拭き取ってもすぐに上から水が落ちてくるのだ。
また、雨の日は洗車場やガソリンスタンドの洗車コーナーが空いているというメリットもある。
雨の日の洗車はNGだという場合の根拠は以下になる。
まずはクルマがサビやすくなるというデメリットだ。雨には大気中の二酸化炭素や窒素酸化物が溶け込んでいるため、水道水に比べて酸性が強くなる。この酸はクルマにサビを発生させる原因になる。
つまり、雨中で洗車を行うと、流しきれなかった雨水が車体表面に残ってサビを進行させる危険性があるということ。特にボディのどこかにキズがあった場合にサビやすくなる可能性が高い。
そして当然ながら、雨の日はワックスがけができない。上から雨が降り続いている時にワックスがけをしにくいのは想像に難くないだろう。ボディを少々濡らしてから塗り込みを行うコーティング剤もあるが、この処理も雨が降っていては難しい。
では、梅雨時はどんなタイミングで洗車を行えばよいのか? 最後はそのことを考えてみたい。
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