【踏切内で車が立ち往生した時どうする?】慌てないために覚えておきたい緊急回避術

いざという時に慌てないための緊急回避術

教習所では踏切内を走行中、MT車は変速してはいけないと教えられたハズ
教習所では踏切内を走行中、MT車は変速してはいけないと教えられたハズ

 教習所で教わったことの大半は忘れてしまっていても、踏切内は駐停車どころか停止も禁止であることはドライバーなら誰でも覚えているハズだ。MT免許を取得したドライバーは、踏切り内は変速せずに1速のまま走り切ること(エンストを防止するため)と教えられたことだろう。

 しかし、ついうっかり踏切内に進入して、その先が渋滞で踏み切り内で停車してしまうことだってありえないことではない。もし踏切内に停止しなければならなくなったら、警報が鳴る前に、どうやったらその状況から脱出できるか、考え始めなくてはいけない。

緑色に塗られた部分が歩行者用通行帯<br>
緑色に塗られた部分が歩行者用通行帯

 前方の信号が変わって、すぐに前の車列が流れ出すかもしれない。そうであれば、そのまま前進して踏切内から出ればいいが、何も考えずに待っていて警報がなってしまったら、その時から考え始めると時間が足りなくなったり、落ち着いて考えられなくなる恐れがある。

 もし警報が鳴って遮断機が下り始めたら、反対車線の前方の遮断機が下りるまでには時間差があるから、反対車線で踏切前に停車しているドライバーにはひんしゅくを買うのを覚悟で、反対車線に出て踏切内から脱出する、これがまずは回避術としてはベーシックなパターン。

 もちろん反対車線で踏切内から出るだけでなく、そこから脇道や駐車場などにクルマを進行させることで、反対車線のドライバーたちになるべく迷惑をかけないようにするべきだ。

 前方の反対車線は直前まで対向車が迫っていて、そのスペースに進むことが難しいなら、思いきって後退して反対車線側にバックで出てしまうしかない。

 乗用車なら遮断機の竿(遮断桿)は上に滑っていくので折れないかもしれないが、1BOXなどでは折れてしまうし、クルマもキズつくことになるけれど、列車と衝突事故を起こすよりは、はるかにマシだ。

 では、両方向とも渋滞していて、踏み切りの両側両車線とも渋滞していて前後、反対車線とも塞がっていて出られそうにない状況であれば、どうだろう。

 実際にはそんなに渋滞していれば、気付かずに踏切内に進入して止まってしまうケースは、ほぼないハズだ。

 もしあるとすれば渋滞だからと、ながらスマホや助手席の乗員などとおしゃべりに夢中になって、前方の状態をよく見ないまま踏切内に入ってしまうような状況ではないだろうか。

 酷いケースでは漫画を読みながら運転しているドライバーにも遭遇したことがある(それも渋滞中だけではなく、巡航中も1度や2度ではない)。そんなドライバーほど、実際に踏切内でパニックを起こしてしまいそうだ。

 一番の問題は、こういう事態になった時、とっさの判断ができず思考停止に陥ってしまうケースだ。踏切内で警報が鳴り始めたら、パニックにならず落ち着いて踏切内から出ることを考えることが最も大事なのだ。前方が渋滞していれば、そのまま進むことは物理的に不可能なのだから、別のルートを探すしかない。

立ち往生してしまった場合は慌てず非常ボタンを押す!

いざという時は非常停止ボタンを躊躇せずに押そう
いざという時は非常停止ボタンを躊躇せずに押そう

 問題は走行不能になって立ち往生した場合である。バッテリー上がりや、突然のエンジントラブルなど、起こる可能性はゼロではない。

 なんらかのきっかけ(カムアングルセンサーやクランク角センサーなどの経年劣化で信号が不安定になることで、エンストすることはよくある)でエンストした場合、Dレンジに入っているとセルモーターは回らないのに、慌ててキーだけ回して「エンジンが掛からないッ! 故障だ!」なんてことだって、大いに有り得る。

 そうした場合は、まずは遮断機に備わっている非常ボタンを押すことだ。これをためらってはいけない。

 自分や自分のクルマを助けるだけでなく、鉄道会社や乗客をダメージから救うことになる。いたずらで押すのでなければ、その後無事に脱出できれば罪に問われるようなことはない。

 非常ボタンを押したら、その下にある連絡先にすぐに電話をかけること。つまり非常ボタンを押しにいく時には、携帯電話を持っていくことだ。

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