ノートe-POWER 大ヒット快走中!! ナンバーワンの理由と盲点

■ライバルに劣る動的質感がネック

【気になる点1】絶えず聞こえるエンジンの唸り音
  標準のノートに対しては、エンジンがある前方とキャビンの間への遮音対策が追加でされてはいるが、走行中、10分に一度くらいならまだしも、1分に一度くらい「ガーガー」と、芝刈り機のごとくエンジンが発電する音が聞こえてくるのは、質感の面で非常に残念な点だ。

1.2Lエンジン(HR12DE)を、ノートe-POWER専用に改良し搭載している

 ただ、上位グレードの「MEDALIST」では、側方のドアなどにも遮音材対策もしているとのこと。メーカーも「うるさい」のは承知の上で、上位グレード以外は、コストカットのために遮音対策を削るといった、割り切った開発をしているようだ。

 我々のようなメディア側が試乗するクルマは、上位グレードの「MEDALIST」が多いため、試乗レビューに「ノイズは許容範囲」と書いてくれるのを期待しているのかもしれないが、そうはいかない。

 カタログにある「走行時の騒音基準が2クラス上、※e-POWER MEDALISTのみ」の表示は、小さすぎないだろうか。

【気になる点2】段差乗り越し時の、ノイズとヒョコつく乗り心地
 路面の段差やつなぎ目を超える際に聞こえる、「ダンッ」「ドタンッ」という音が、少し大きく感じる。乗り越し時の上下の加速Gは少なく感じるが、段差インパクト時のノイズが聞こえることで、クルマの質感を損ねている、と感じる。

 また、きびきびしたハンドリングを優先したのか、ひとり乗りの場合、ボディが上下にヒョコつくシーンがある。

「ボディの余計な上下のフワ付きを抑制している」と言い換えて表現することもできるが、「しっとりと路面の起伏をいなして滑らかに進んでいく」、より質感の高い乗り心地を、期待したいところだ。

古いプラットフォームを改良しながら使い続けているノート。次世代型プラットフォームを採用しているライバルに後れを取っている

 ノートe-POWERの長所はずばり、「走り」と「燃費」だ。

 クルマに興味がない人でも、5分も試乗すれば、ガソリン車との違いに「あれ? 何かが違う!」と驚き、驚異の燃費で「感動」をして、購入後には「買ってよかった」と満足できるだろう。対する短所は、「質感を損ねている音振(下位グレード)」だろう。

 クルマを作っていた開発エンジニアの視点で試乗をすると、見逃せない弱点は見つかるが、いいクルマの本質は「お客様が喜んでくれるクルマ」に仕上がっているか否かだ。

 上記で上げた、気になる点を覆いつくす「圧倒的な何か」が、このノートe-POWERにあるのだと思う。

 現時点でも、選んで間違いのない「推し」の1台に変わりはないが、そろそろ目新しさがなくなってきたのも事実だ。次期型にも期待したい。

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